Photographer: Akio Kon/Bloomberg

鈴木日銀委員:金利水準の調整は「将来的に十分あり得る」

更新日時
  • 追加緩和の必要性はない、物価目標に向けたモメンタムは維持
  • ETFは未来永劫買い続けるものではない、現時点では必要
Photographer: Akio Kon/Bloomberg

日本銀行の鈴木人司審議委員は8日午後、長短金利操作付き量的・質的金融緩和の下での金利水準の調整について、政策の持続性を高めるため「将来的には十分あり得ることだろう」との見解を示した。和歌山市内で会見した。

  一方、強力な金融緩和を粘り強く続ける方針に変化はなく、微修正があったとしても「大きな方針転換だとか出口に向かうということでは全くない」とも述べた。

  一部の審議委員が言及した追加緩和については、物価目標に向けたモメンタム(勢い)は引き続き維持されており、現段階では「必要性はない」と述べた。指数連動型投資信託(ETF)の購入は「現時点では必要な政策」としながらも、「未来永劫(えいごう)買い続けるものではないかもしれない」と指摘した。

  株式市場の不安定な動きについては、「企業収益の見通しや経済実態は内外ともにしっかりしている」と分析し、「日銀の金融政策への影響はあまりないのではないか」と述べた。「リーマン危機の直前のような状況にはまだ至っていないだろう」との見方も示した。

  日銀は16年9月、短期金利をマイナス0.1%、長期金利を0%に誘導する長短金利操作を導入した。鈴木委員は前三菱東京UFJ銀行取締役常勤監査等委員で、異次元緩和の副作用に警鐘を鳴らし続けた佐藤健裕氏の後任として昨年7月、審議委員に就任した。 
  
  午前の講演では、大規模緩和が金融システムや仲介機能に与える影響について、「累積的な影響も含め、丁寧に見ていく必要がある」と説明。競争激化による貸出金利の低下や、有価証券利回りの低下から「金融機関の収益が圧迫されている面もある」と指摘した。

  鈴木氏は1977年に慶応大学経済学部を卒業後、当時の三菱銀行に入行し、東京三菱インターナショナル・ロンドン副社長を経て、三菱東京UFJ銀行の市場企画部長や副頭取などを歴任した。

(2段落に金利調整についての発言の詳細を追加しました.)
    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE