五輪出場も夢じゃない、ライセンス導入で広がるeスポーツの可能性

  • 夢の野球選手にはなれずも「別の形でプロになれる」と期待膨らむ
  • 韓国では年収3億円の「選手」も-22年アジア大会ではメダル種目に

エレクトロニック・スポーツ(eスポーツ、対戦型競技ゲーム)の祭典「闘会議2018」が10日、幕張メッセ(千葉市美浜区)で開幕する。今月初めにeスポーツのプロライセンス制度が整備されてから初の公認大会となり、五輪種目への採用も視野に入れるeスポーツの将来性を試す試金石となりそうだ。

  バンダイナムコホールディングス主催の「鉄拳7」に出場予定の「ぺこす」こと可知陽太氏(31)は6日、本番に向け都内のゲームセンターで腕を磨いていた。少年時代の夢だったプロ野球選手にはなれなかったが、「今回のライセンス制度で、別の形でプロになれるかもしれないのは嬉しい」と話す。

「ぺこす」こと可知氏

Photographer: Kentaro Takahashi/Bloomberg

  調査会社アクティベートによると、世界のeスポーツ関連市場は20年までに英サッカープレミアリーグ並みの50億ドル(約5500億円)規模まで拡大する見込み。eスポーツ先進国の韓国では年収3億円のスター選手も現れるなど、世界で広がりを見せている。

  こうした中で動き出したのがeスポーツ団体だ。国内3団体が統合して1日に発足した「日本eスポーツ連合」は、国内開催の大会で、景品表示法で事実上制限されている高額賞金を可能にするためプロライセンス制度を導入。15歳以上の選手はプロライセンスを取得すれば、国内大会でも高額賞金を獲得できるようにした。

スター選手誕生なるか

  eスポーツ連合が中心となり開催する闘会議には、ソニーカプコンコナミホールディングスなどが出展。プロ選手による格闘ゲームや日韓の代表選手によるトーナメントを行う。一方、国際的には2022年の中国・杭州大会ではメダル種目に決定、24年パリ開催の夏季五輪でも仏五輪委員会が関心を持っているという。
  

浜村副会長

Photographer: Akio Kon/Bloomberg

  eスポーツ連合の浜村弘一副会長は、選手が金銭的余裕を持つことでよりゲームに専念できる環境が整い、海外でも好成績を残せば国内のeスポーツファンが増えるとの好循環を期待する。カーリングやボルダリングのように、この競技の知名度が高まるかどうかは「スター選手の誕生が全てのカギを握る」と強調した。

  ペラム・スミザーズ・アソシエイツのペラム・スミザーズ氏は、「日本は半年や1年後にはeスポーツ大会を開催するメーンのホスト国になりそうだ。世界で活躍する日本人プレーヤーもいるので、22年のアジア大会でもいい成績を残すだろう」と指摘する。

  eスポーツ連合の浜村氏は「ゼロから始まるので海外よりも伸び率が高いと思う」と日本市場の拡大に期待を寄せる。「鉄拳7」の試合に向けトレーニングに励む可知氏はeスポーツ関連収入が増えたら、千葉県から都内に引っ越し弟子を持ちたいと夢を語った。

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