【個別銘柄】利益増額トヨタ堅調、SUMCO上昇、JTやリコー下落

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  • トヨタは今期営業利益を1割上積み、マッコーリーは判断上げる
  • JTの今期営業利益計画は市場予想以下、電子たばこ生産に課題

7日の日本株市場で、株価変動材料のあった銘柄の終値は次の通り。

  トヨタ自動車(7203):前日比1.2%高の7372円。2018年3月期の営業利益計画を2兆円から前期比10%増の2兆2000億円に上方修正。ゴールドマン・サックス証券は、10ー12月期は6736億円と同証予想の4500億円から大きく上振れ、円安効果などを除くファンダメンタルズの改善は50億円と小幅だが、前年同期比プラスを確保した点は好印象と評価した。マッコーリーキャピタル証券は投資判断を「中立」から「アウトパフォーム」に上げた。

  SUMCO(3436):6.7%高の2838円。17年12月期の営業利益は前の期比3倍の421億円、市場予想の416億円を上回った。1ー3月期(第1四半期)は前年同期比2.4倍の190億円を計画。SMBC日興証券は、第1四半期計画に基づけば、ウエハー値戻しの角度は同証予想より高いと見込まれ、300ミリのみならず、200ミリや150ミリウエハーも大幅に値戻しが浸透し、18年12月期も大幅増益の確度が高いとの見方を示した。同証の今期営業利益予想は830億円。

  JT(2914):6%安の3301円。18年12月期の営業利益計画は前期比横ばいの5610億円、市場予想の6057億円を下回った。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、今期の国内たばこ事業の2桁減益予想、電子たばこのプルーム・テックの生産面での課題継続からネガティブと分析。会社側は従来、プルームテックの生産能力を18年末で200億本としていたが、実際の製造可能本数は100億本にとどまると言及したという。みずほ証券も、プルーム・テック販売実績待ちの市場に対し、発表内容は十分応えていないと指摘した。

  リコー(7752):6.6%安の1096円。6日のグループ成長戦略説明会で、20年3月期の売上高2兆2000億円、営業利益1000億円、株主資本利益率(ROE)6.9%を目指す中期計画を確認し、新たに23年3月期に売上高2兆3000億円、営業利益1850億円、ROE9%以上との目標を示した。メリルリンチ日本証券は、新規材料に乏しく、22年度過去最高益を目指すとされたが、複合機販売のてこ入れ策は示されず、中期見通しには不透明感が残ると指摘した。

  三菱重工業(7011):5.9%高の4159円。6日午後1時30分に発表した17年4ー12月期営業利益は前年同期比17%増の801億円、18年3月通期計画は20%増の1800億円を維持した。SMBC日興証券は、インダストリー&社会基盤、航空・防衛・宇宙分野は会社計画の達成が厳しい印象とした半面、収益性が高い原子力事業の売上高が第4四半期に大きく計上される見込みなどパワー分野に上振れ余地があり、全体として通期営業利益水準は達成可能との見方を示した。

  古河電気工業(5801):3.3%高の5580円。18年3月期の経常利益計画を435億円から前期比25%増の450億円に上方修正、期末配当を1株60円から70円へ増額した。モルガン・スタンレーMUFG証券は、純利益計画は255億円に据え置いたが、計画達成への確度が増し、ポジティブと判断。北米光ファイバー事業で通信インフラ大手のコムスコープと25年まで大型供給契約を結ぶなど、20年にかけ段階的な能力増強効果の大きさで他社をしのぐ点も評価した。

  住友化学(4005):4.4%安の697円。17年4ー12月期営業利益は前年同期比52%増の1311億円、前期比38%増の1850億円を見込む18年3月期計画は据え置いた。JPモルガン証券は、通期見通しの超過達成度の確度は高いが、業績けん引役は石油化学やエネルギー・機能材料にとどまり、バリュエーション評価の鍵となる情報電子化学や健康・農業関連事業の進捗(しんちょく)が振るわない点で印象は良くないと指摘した。

  セガサミーホールディングス(6460):9.4%高の1479円。17年4ー12月期の営業利益は前年同期比27%減の256億円、18年3月期計画は前期比56%減の130億円を据え置いた。ゴールドマン・サックス証券は、10ー12月期は想定通りの営業赤字とした上で、懸念が先行していた遊技機市場の正常化が見えてきたほか、パッケージゲームの好調やモバイルのヒットがあり、今後の業績正常化が期待できるサインが見えてきた点は好印象とした。

  NTTデータ(9613):3.9%安の1164円。17年4-12月期の営業利益は前年同期比10%増の821億円、18年3月期計画は前期比2.5%増の1200億円を据え置いた。みずほ証券は、通期会社計画に対する進捗(しんちょく)率は悪くないが、依然低位な海外マージンに改善の兆しがみられないほか、好調を維持してきた国内の公共・社会基盤で不採算案件が発生で印象は良くないと指摘。短期株価にはネガティブに働く可能性があるとみていた。

  スクウェア・エニックス・ホールディングス(9684):11%安の4375円。17年4ー12月期の営業利益は前年同期比57%増の338億円だったが、10ー12月期は23%減の80億円と市場予想の107億円を下回る。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、累計営業利益が通期計画の上限300億円を上回ったにもかかわらず、通期計画が据え置かれた点はネガティブと指摘。モバイルゲームの新作ヒット率が低下傾向など不透明要因を考慮した、と推察した。

  UACJ(5741):5.6%安の2581円。18年3月期の経常利益計画を300億円から前期比11%増の220億円に下方修正。SMBC日興証券は、国内の缶材不振やタイ・米国工場の立ち上げの遅れで会社計画の下振れを予想していたが、想定以上の減額幅でネガティブと分析。米子会社の収益悪化や国内を中心とした販売減少、自動車用パネルへの生産シフトに伴う費用増加など、予期していなかった減益要因が多かった、と指摘した。

  横河電機(6841):5.2%高の2173円。17年4-12月の営業利益は前年同期比2.8%増の205億円、10-12月期(第3四半期)は81億円だった。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、第3四半期営業利益は貸倒引当金を除けば市場コンセンサスを上回ると指摘、同期の制御事業の受注高が前年同期比9.4%増と受注環境が回復基調にあることが確認できポジティブな決算と評価した。

  ドンキホーテホールディングス(7532):1.3%高の5670円。17年7-12月期の営業利益は前年同期比11%増の292億円、18年6月期計画は498億円から前期比10%増の510億円に上方修正した。みずほ証券は、価格競争の激化など小売業界を取り巻く環境が大きく変化する中、現場への権限委譲の強みを活かした変化対応力で営業増益を維持している点を評価。修正後の会社計画は、同証予想を下回っているが、同社は硬めに設定する傾向があり、違和感はないとみる。

  スポーツウエア関連:ゴールドウイン(8111)が20%高の1万2540円、デサント(8114)が12%安の1614円。ゴールドの17年4ー12月期営業利益はアウトドアブランドの好調で前年同期比78%増の65億1200万円、18年3月期計画を50億円から前期比59%増の62億円に上方修正したが、既にこの水準を上回る。期末配当は1株75円から85円に増額。一方、デサントの4ー12月期営業利益はアジアでの粗利率悪化などが響き前年同期比0.1%増の55億4500万円、前期比0.2%減の84億円で据え置いた18年3月期計画に対する進捗(しんちょく)率は66%にとどまった。

  楽天(4755):1.8%高の939.5円。傘下のフリマアプリ「ラクマ」と「フリル」を26日付で統合する。経営資源を集中させ、運営やマーケティングの効率化を図る。サービス名称は「ラクマ」。会員数約9300万の顧客基盤を生かし、ライバルのフリマアプリ「メルカリ」を追う体制を構築する。

  ケーヒン(7251):8.2%高の2343円。18年3月期の営業利益計画を225億円から240億円に上方修正、市場予想は234億円だった。クレディ・スイス証券は、通期を一転増益見通しに市場予想をやや上回る水準まで引き上げたことはポジティブと指摘。1-3月期は中国の台数成長鈍化を見込むほか、開発費や諸経費の期ずれ影響などで前期比では減速しそうだが、アジア二輪の回復や合理化効果などにより業績の回復基調は続くとの見通しを示した。

  サンケン電気(6707):13%高の848円。17年4ー12月期の営業利益は前年同期比2.7倍の85億9100万円、半導体デバイス事業で中国エアコンメーカーや韓国洗濯機・冷蔵庫メーカー向けに白物家電用IC、自動車用のICやセンサー製品が好調だった。メリルリンチ日本証券は、10ー12月期は31億3400万円と同証予想の23億円を大きく上回る水準でポジティブ、会社側は通期計画を据え置いたが、自動車や白物家電向け需要が好調な点を踏まえると、保守的な印象とした。

  シスメックス(6869):3.3%高の8410円。17年4-12月期の営業利益は前年同期比14%増の446億円、日本や中国を中心に血球計数検査分野などの試薬売り上げが伸びた、前期比12%増の580億円とする通期営業利益計画は据え置いた。クレディ・スイス証券は、第3四半期決算では前年同期比2桁の増収増益ペースへ回帰したことを確認、グローバルでヘマトロジー(血球計数検査)がけん引しており、今後は尿、免疫、凝固などの領域での直販への切り替えや新製品投入に注目するとした。

  ノリタケカンパニーリミテド(5331):4.8%高の5480円。17年4ー12月期の営業利益は前年同期比2.2倍の40億2700万円だった。食器は赤字だったが、自動車や鉄鋼、ベアリング業界向けに工業機材事業が好調なほか、コンデンサー用電子ペーストなどセラミック・マテリアル事業やろ過装置などエンジニアリング事業も伸びた。18年3月通期計画は40億円から前期比54%増の48億円に上方修正した。

  名村造船所(7014):7.5%安の626円。17年4ー12月期の営業損失は33億1900万円と前年同期の24億8900万円から拡大。大型の艦艇修繕工事減少による減収要因に加え、採算面では連結子会社の佐世保重工業で得意の中型撒積運搬船の新造需要が低迷、久々に中型輸送船の建造に取り組むが、工程混乱による製造原価の増加が響く

  パラマウントベッドホールディングス(7817):6%安の5180円。17年4ー12月期の営業利益は前年同期比0.5%減の67億700万円。売上高は7.4%増えたが、運送費の増加や支店建て替え費用の発生などが響く。

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