それでも日経平均「年内3万円」可能、日本投資トップの英ファンド

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  • 最近の株急落は「健全な修正」、日本企業「あまりに強い」と創業者
  • 株急落はむしろ「買い場」の可能性と共同創業者

A man reacts after looking at an electronic stock board outside a securities firm in Tokyo, Japan, on Tuesday, Feb. 6, 2018.

Photographer: Noriko Hayashi/Bloomberg

日本に焦点を当てるファンドで2017年のリターンが首位だった英デジマ・アセット・マネジメントは、ここ数日の株価急落は「健全な修正」として恐れる必要はなく、18年には日経平均株価が3万円に到達する可能性があるとみている。

  日本の株式市場は17年に引き続き、世界経済の持続的な成長と国内の企業収益見通しが堅調なことから好調なスタートを切った。しかし、インフレに伴う金利上昇から米国株が急落したのを背景に、日経平均も2日から3営業日続落、特に6日には一時1603円も下げた。7日は4営業日ぶりに反発したが、前日比35円13銭(0.2%)高の2万1645円37銭にとどまっている。

  同社の共同創業者マシュー・ロナガン氏は、6日夜のブルームバーグの取材に対し「日本経済と企業のファンダメンタルズはあまりにも強く、今回の株価下落で長期的な修正が始まったとは考えていない」と述べた。ここ数日の株価急落は、同社のファンドや手ぐすねを引いて待っていた投資家にとって、むしろ「買い場」となる可能性があるとみている。

  また、「世界経済は順調に推移してインフレ率は低く、企業収益は改善を続けている」とした上で、「日本市場は回復サイクルが遅れており、今後は上昇に向けて加速する」との見方を示した。年末までに日経平均3万円を予想しているマネックス証券の広木隆チーフ・ストラテジストらの見方に同意するという。ただ、リスク要因として円高と地政学的リスクの高まりを挙げた。

  同じく共同創業者のローワン・チャップリン氏は、日本の物価上昇率は日本銀行の目標である2%には達しておらず、「日銀は安定的な環境を保つためイールドカーブコントロールに努めており、金融引き締めに転じることを懸念するには時期尚早」と指摘。日本の株式市場は下支えされるとの見方を示した。

ベストパフォーマー

  デジマのジャパン・シンセティック・ワラント・ファンド(JSWファンド)は日本企業の転換社債型新株予約権付社債(CB)で運用、17年は株式相場の上昇が寄与し73%の収益を上げた。調査会社ユーリカヘッジが集計する日本に焦点を当てたファンド140本のうち1位だった。18年1月の収益率は3.7%となり、日経平均の1.5%を上回った。

  同ファンドは購入したCBを社債と新株予約権に分離。少ない元手で投資できるよう社債部分をいったん邦銀などに売却。発行企業の株価が上昇した場合は買い戻し、新株予約権と組み合わせCBとして売却する。運用額は1730万ドル(約19億円)で25銘柄(1億2100万ドル)に投資。17年は、投資後に株価が70%上昇したSBIホールディングスのCBを一部売却したほか、同31.5%上昇の丸全昭和運輸や、同43.3%上昇の日本セラミックのCB売却が奏功した。

  JSWファンドは05年11月から運用を開始。デジマは、英ストラットン・ストリート・キャピタルに在籍していたトレバー・スリワースキ氏、ロナガン氏、チャップリン氏が独立して2017年2月に設立し、JSWファンドの運用を引き継いでいる。スリワースキ氏は、「適切な時期に現金を保有し、市場の急落などで他の投資家が投資できない時に割安な優良銘柄に投資するという戦略に変更はない」と述べた。

(第2段落で株価を更新しました.)
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