ソフトバンク孫氏の投資戦略、市場は読めず-携帯IPOは高評価

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  • アリババなど投資先時価総額、自社上回る最低18兆円-株価は出遅れ
  • 「事業会社かファンドか明確に」「ビジョン・ファンドの価値は」

ソフトバンクグループが7日、2017年10-12月期(第3四半期)の連結決算を発表する。孫正義会長兼社長はライドシェアや人工知能(AI)などへの巨額投資を続け、テクノロジー業界に最も影響を与えている。だが、市場は同氏の戦略を十分に織り込めずにいるようだ。

  ブルームバーグ・ニュースが集計したアナリスト4人による第3四半期の純利益予想平均は1842億円となっている。前年同期実績の912億円の2倍に相当する。しかし、同社の株価は過去1年間、相場全体が上昇する中で1.9%下落した。目に見える数字だけで読み切れないのがソフトバンクの企業価値だ。

孫正義氏

Photographer: Mark Kauzlarich/Bloomberg

  ソフトバンクが保有する上場株式の時価総額は少なくとも約18兆円に達する。約28%を持つ中国のアリババ・グループ・ホールディングだけでも14兆8000億円に上る。これに対しソフトバンクは約9兆2000億円。例えば、アリババは通期(18年3月期)の売上高見通しを上方修正するなど急成長中。それでも投資家は迷っている。

  孫氏は昨年、中東の政府系ファンドなどが参画する「ビジョン・ファンド」を発足、これも活用して約100社に総額360億ドル(約4兆円)を投じた。いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員は「ソフトバンクの保有資産は幅広過ぎる。孫氏は携帯会社なのか投資ファンドなのか明確にする必要がある」と指摘する。

向かう先、見えず

  ソフトバンクは1月、携帯事業会社の新規株式公開(IPO)を検討していると発表した。日経新聞は、資金調達額は2兆円程度で年内の東証1部上場を目指すとしている。ジェフリーズ証券のシニアアナリスト、アツール・ゴヤール氏は「上場の狙いの一つはソフトバンクの価値を可視化することにある」と述べた。

  ブルームバーグ・インテリジェントのアナリスト、アンセア・ライ氏も「ソフトバンクの企業価値を上げるには、子会社の価値を評価しやすくする必要がある」と指摘。ただ、ビジョン・ファンドの価値を評価するのが最も難しいと述べた。

  孫氏は決算会見や自社のイベントで、ソフトバンクのコア事業は「情報革命だ」と、たびたび述べている。いちよしアセットの秋野氏は「孫氏は同社の新たなコア事業を探しているようだ。多くの投資家は彼を信じるだろうが、どこに向かっているのかはっきりしてもらいたい」と語った。

  7日のソフトバンク株は一時前日比5.1%高まで上昇。午前11時6分現在は3.6%高の8674円となっている。

(最終段落に株価動向を追加しました.)
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