円がほぼ全面高、日米株急落でリスク回避-対ドルで一時108円台半ば

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  • ドル・円は一時108円46銭まで下落、その後日銀総裁発言で下げ渋る
  • 株が落ち着かないとリスクオフの地合い止まらない-CIBC
Japanese 10,000 yen banknotes are arranged for a photograph in Tokyo, Japan, on Thursday, Sept. 7, 2017. Japanese stocks fell as the yen strengthened while investors prepared themselves for the economic damage that Hurricane Irma may inflict on Florida and mulled U.S. President Donald Trump’s most recent comments on North Korea. Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

東京外国為替市場では円がほぼ全面高。前日の米国株に続いて日本株や米株先物が急落する中、リスク回避に伴う円買いが進んだ。ドル・円相場は一時1ドル=108円台半ばまで下落する場面が見られた。

  6日午後3時50分現在のドル・円は前日比0.2%安の108円90銭。朝方は109円台前半で小動きだったが、徐々に円買いが強まり、午後には一時108円46銭と1月26日以来の水準まで下落。その後は日本銀行の黒田東彦総裁が長期金利の操作目標の引き上げに否定的な見解を示したこともあり、108円台後半まで値を戻した。

  CIBC証券金融商品部の春木康部長は、「典型的なリスクオフの円高になっている」とし、「目先は株が落ち着かないとリスクオフの地合いが止まらないだろう」と指摘。もっとも、「ドル全面安下での円高ではなく、リスクオフのドル買い・円買い局面であることを考えると、一方的にドル・円がずるずると下がり、105円を目指すことは想定していない」と話した。 

 
  5日の米株相場は急落し、ダウ工業株30種平均は一時1600ドル近く下げた。ボラティリティー指数(VIX)は中国経済への懸念が高まった2015年8月以来の高水準に達し、1日の上昇としては過去最大を記録した。6日の東京株式相場も日経平均株価の下げ幅が一時1600円を超えた。アジア株もほぼ全面安で、米S&P500種Eミニ先物は一時3%安となった。

  円はニュージーランドドルを除く主要10通貨全てに対して上昇。ユーロ・円相場は1ユーロ=135円台前半から一時133円98銭と1月12日以来の水準まで円高が進んだ。オーストラリアドル・円相場は朝方発表された豪小売売上高などが予想を下回ったことも重しとなり、午後に一時昨年12月以来初めて1豪ドル=85円を割り込んだ。オーストラリア準備銀行(中央銀行)はこの日、16会合連続で政策金利を過去最低の1.5%に据え置いた。

  黒田日銀総裁は午後の衆院予算委員会で、「現時点で、例えば10年物国債の操作目標を若干であれ引き上げることは適切ではないのではないか」と述べた。

  クレディ・アグリコル銀行の斎藤裕司外国為替部長は、「黒田総裁がこれまでより踏み込んで、市場の金融緩和正常化の地ならし観測をけん制したことが効いたようで、円売りになった。もっとも、S&P先物が下げており、ドル・円、クロス円の上は重そう」と話した。

  リスク回避の動きから、ドルは円以外の主要通貨に対しては買いが先行。豪ドル・ドル相場は1月11日以来となる1豪ドル=0.78ドル台前半まで下落し、ユーロ・ドル相場は一時1ユーロ=1.2351ドルと1週間ぶりの水準までユーロ安・ドル高に振れる場面があった。

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