ダウ平均、急落させたのは誰だ-浮かび上がる機械犯人説

  • 売り殺到で5日のダウ平均は一時1600ポイント近く下げた
  • 非常口に殺到する人間でなく、アルゴやクオンツのせい-ウリン氏
Coaxial cables connect to a computer server unit inside a communications room at an office in London, U.K., on Monday, May 15, 2017. Governments and companies around the world began to gain the upper hand against the first wave of an unrivaled globalcyberattack, even as the assault was poised to continue claiming victims this week. Photographer: Chris Ratcliffe/Bloomberg

5日の米国株市場でダウ工業株30種平均が一時1597ポイント下落した際にどんな力学が働いたかを明言するのは不可能だが、下降局面の最悪場面で投資家の多くは機械が狂ったのではないかと感じた。ニューヨーク時間同日午後3時過ぎから約15分にわたって起きたあまりに速いペースでの売り注文殺到は、生身の人間の仕業とは思えなかった。

  この市場の一大事に、先週以前の平和的な相場上昇の波に乗っていた投資家は動転した。S&P500種株価指数は先週、下落率が3%を超えない営業日の連続で記録を更新したが、5日は4.1%安で取引を終え、1週間前の1月29日からの下げが7.8%に達した。

  ウリン・アンド・カンパニー・ウェルス・マネジメントのジョン・ウリン氏は、5日のダウ平均が一時1600ポイント近く下げたことについて顧客に連絡を取り、「マクロ的なイベントや近くの非常口に殺到する人々というよりも、アルゴリズムや高頻度のクオンツ取引によるものだろうと話している」と電子メールに記した。

  もちろん、すべてを機械のせいにはできない。債券利回りは上昇し、株のバリュエーションはインターネットバブル時の水準に近づいていた。ダウ平均は先週末の2日に約666ポイント下げており、それを受けた5日の一斉売りの大半は理にかなっていただろう。

  それでも、BB&Tウェルス・マネジメント(アラバマ州)でシニアバイスプレジデントとして170億ドル(約1兆8500億円)相当の運用に携わるウォルター・ヘルウィグ氏は「怖かったのは、相場下落のスピードだ」とし、「午前の下げは人的要因によるものだが、午後の急落は機械の仕業だ。われわれは『一体全体、何が起きてるんだ』と、2010年と同じ反応をした」と語った。

  何が相場の下落を加速させたのかは、決して明らかにはならないかもしれない。10年5月6日にダウ平均が1000ポイント近く下げたフラッシュクラッシュと呼ばれる瞬間的急落の原因も明確になっていない。ただ当時と異なり、今回は過去10年の電子市場の進展で人気を博した自動的なクオンツ戦略に注目が集まる。特に、ボラティリティーに関連するトレーディングプログラムに疑いの目が向けられた。

  JPモルガン・チェースのクオンツ・デリバティブ戦略グローバル責任者、マルコ・コラノビッチ氏は顧客向けリポートで5日の相場急落について、「正午ごろ、短期モメンタムがネガティブに変わり、トレンド追随型戦略が売りに回った」と記述。インデックスオプションのガンマヘッジやボラティリティー取引のショートカバーなどにも言及し、「こうしたテクニカル的な資金の流れが、本格的な買い手が不在な中で、午後3時10分ごろのフラッシュクラッシュの結果につながった」と説明した。

原題:Machines Had Their Fingerprints All Over a Dow Rout for the Ages(抜粋)

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