Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

トヨタにもトランプ減税効果、 今期純利益引き上げ過去最高に

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  • ホンダに続き法人税率下げの恩恵で純利益2.4兆円-市場予想上回る
  • 効果は一過性の声も、トヨタは原価低減の徹底など改革に本腰
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

米国のトランプ政権による法人税率引き下げの恩恵が、現地で事業展開する日本の自動車メーカーにも波及してきた。トヨタ自動車は6日、今期(2018年3月期)の純利益見通しを前期比31%増となる2兆4000億円に上方修正。ホンダに続いて過去最高を更新する見通しとなった。

  トヨタの従来予想1兆9500億円より24%多く、ブルームバーグが集計したアナリスト21人の予想平均値1兆9785億円も上回った。実現すればトヨタとしては16年3月期の2兆3127億円を更新して過去最高益となる。

  トランプ政権下の米国では12月に税制改革法案が成立。米国の法人税率は35%から21%に下がり、米国以外の企業や大部分の個人も減税の恩恵を受けることになる。米国の法人税率引き下げではホンダも2日に今期の純利益見通しを従来の5850億円から1兆円に引き上げていた。

  米国を含む北米はトヨタにとって販売の3割以上を占める主要市場。トヨタは昨年、向こう5年間に米国で100億ドル(約1兆1000億円)の投資を行うと発表し、ことし1月にはマツダとの新工場の建設地をアラバマ州に決めている。6日都内で会見したトヨタの白柳正義専務は、今期に約2900億円の税金費用の低減があったとし、設備投資や研究費関連で来年度以降も継続的に軽減される負担もあるとし、「そういうところはしっかり活用していきたい」と話した。

  トヨタの発表資料によると、通期の売上高見通しも29兆円、営業利益は2兆2000億円とそれぞれ従来予想から引き上げた。営業利益段階では円安効果のほか原価改善努力が利益を押し上げる。通期の為替前提は1ドル=111円を据え置き、ユーロに関しては従来の128円から1円分、円安方向に変更している。

  一方、改善すべき課題も多い、と小林耕士副社長は会見で述べた。10ー12月はすべての地域で売上高が増加したものの、営業利益では主力の北米が前年同期比53%減の331億円に落ち込んだ。販売奨励金が膨らんだことなどが要因。今年は新車を積極的に投入し、米国で240万台の販売を目指したいとしている。

  小林副社長は為替要因を除けば通期予想は減益となり、「まだバツだと思っている」と話した。為替や米国の法人税率引き下げは一過性の効果に過ぎず、原価低減の徹底など一時的な要因に左右されない体質改革を進めていきたいと述べた。

  SBI証券の遠藤功治アナリストは決算発表前の電話取材で、販売台数は「日本も欧州も、中国も東南アジアも増えるだろう。米国は下がってもまだまだ高水準で、悪くはない」と指摘。一方、通期の純利益の部分は米国の減税策で上がったとしても「一過性で来年は寄与してこない。人件費などの製造コストが上昇しているうえに研究開発費やインセンティブも増えており、なかなか厳しい状況。営業利益が伸びる感じとはなかなか想定しにくい」と話した。 

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