財政再建か成長か、安倍首相を悩ます債務のジレンマ-チャート

1990年代半ば以来の経済成長を続ける中でも、日本の債務は拡大し、人口は減少し続けている。経済成長を損なう危険を無視して財政再建を進めるか、高い成長率が問題を解決すると信じて国債を発行し続けるか。安倍晋三首相が抱えるジレンマは、深まる一方だ。日本の財政状況を示す鍵となる指標を挙げた。

先進国では最悪の債務負担

  経済は債務を上回るペースで成長しているが、債務削減の方法と時期を示す道筋は見つかっていない。


国と地方の長期債務残高



政府負債総額対GDP比

政府支出は税収を上回る

  2019年に消費増税を実現しても、税収と歳出の差は縮まらない。税収と政策的経費の差を示す基礎的財政収支の黒字化は遠い。

基礎的財政収支


歳出と税収

進む人口減少

  40年までに3人に1人が65歳以上になると推計され、人口は約12%下落する見通しだ。

社会保障関係費



1人当たりの債務負担

国債保有者は日本企業と家計

  海外の国債保有者は米と比較して少ない。リスクを抑え、将来の危機を制御しやすくする材料だ。

海外債務割合


資金過不足

日銀は金利を低く抑えている

  日本銀行が金融緩和からの正常化に動き出せば、状況は変わる可能性がある。ブルームバーグ・エコノミクスの増島雄樹エコノミストは「財政再建がおぼつかない中、拙速な引き締めが財政懸念につながるリスクもある」と指摘した。

備考

日本の人口や米の債務、国際通貨基金(IMF)の推計は暦年。他のデータは日本の年度。
図1:長期の政府債務(財務省)
図2:政府債務の総計、17年以降は推計値、米国とドイツの一部の統計は使用できない(IMF)
図3:内閣府
図4:18年の数値は予算案に、19年以後は1.5%の成長を前提とした推計に基づく(財務省)
図5:19年以降の数値は推計(財務省)
図6:財務省、総務省。ブルームバーグが長期債務を人口で割った
図7:米財務省、日本銀行、ブルームバーグの計算。短期、長期、地方の債務を含む
図8:日本銀行
図9:ブルームバーグ・エコノミクスの増島雄樹エコノミスト

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