金利急上昇で米株高は頓挫も-米国債相場の苦境は前触れか

  • 米国債利回りと株式益利回りの差は8年ぶりの低水準に縮小
  • 金融危機以降の株式の主なセールスポイントに疑問符
A statue of George Washington stands across from the New York Stock Exchange (NYSE) in New York, U.S., on Friday, Dec. 29, 2017. Photographer: Michael Nagle/Bloomberg

米国の債券利回りが急上昇し、米株式相場に極度の不安の種をまいており、米国株は先週、2年ぶりの大幅安を演じた。

  S&P500種株価指数の急落は小休止にすぎない可能性もあるものの、米国債相場の苦境は株式市場にとって回避できない前触れとの懸念が強まっている。米10年債利回りは先週、4年ぶりの高水準の2.84%を付けた。S&P500種先物はニューヨーク時間4日夜、下落して始まった。なぜ利回り上昇が株式相場に悪材料になり得るのか、幾つかの考え方を以下に挙げる。

株式益利回り

  金融危機以来、株式の主要なセールスポイントは、1株当たり利益を株価で割った「株式益利回り」が債券利回りに比べて高いことだった。S&P500種株価指数の益利回りは現在約4.3%。誰もがこうした比較を好むわけではないが、この数字が米国債利回りを優に上回っていると安心感を持つ投資家が多い。今は約1.5ポイント上回っているが、債券利回りの上昇で両者の差は8年ぶりの低水準に縮小した。

  これについて考えるもう一つの方法は、各証券の評価倍率の検討だ。利回りと比較して、米国債は現在、年間利払いの約37倍で取引されている。これに対し、S&P500種株価指数の株価収益率(PER)は22.6倍だ。米国債利回りが約4.3%に上昇すれば、倍率は等しくなる。

  連邦準備制度のモデルの一種であるこの比較も、専門家全員が受け入れているものではない。相対的価値を見極める便利な方法と見る向きは多いものの、企業収益と債券利回りは同じではなく、ボラティリティーも異なり、インフレへの感度も違う。それでもこの考え方は、強気相場の持続力に疑問を呈す際に背景として考慮されることが多い。

  ウェルズ・ファーゴの株式戦略責任者、クリス・ハービー氏は「最も簡単な見極め方は、全ては相対的だということだ。利回りが上昇すると、債券からもたらされる収益は増える。買い手、資産所有者は株式市場よりも債券市場により多くの資金を投じたくなる」と指摘した。

原題:How Spiking Bond Yields Really Could Topple a Stock Market Rally(抜粋)

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