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Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg
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日本株1年超ぶり下落率、米国ショック直撃-金利高警戒し全業種安い

更新日時
  • 米雇用統計は堅調な回復示す、米10年債利回りは2.86%台まで上昇
  • ダウ工業30種平均の下げ幅9年ぶり、日経平均は2万3000円割れる
A visitor looks at the trading floor at the Tokyo Stock Exchange (TSE), operated by Japan Exchange Group Inc. (JPX), in Tokyo, Japan, on Wednesday, Aug. 30, 2017. Equity indexes in Japan, Hong Kong and South Korea rose Wednesday after U.S. stocks rebounded from losses initially sparked when Kim's regime fired a missile over Japan.
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

5日の東京株式相場は大幅続落し、主要株価指数の下落率は1年3カ月ぶりの大きさとなった。米国の急激な金利上昇による景気や株式市場への悪影響が懸念され、電機や機械、銀行、情報・通信株など時価総額上位セクターのほか、石油や非鉄金属株など東証1部33業種は全て安い。

  TOPIXの終値は前週末比40.46ポイント(2.2%)安の1823.74、日経平均株価は592円45銭(2.5%)安の2万2682円08銭。TOPIXは昨年大納会の17年12月29日以来、日経平均は同12月15日以来の安値。

  三菱UFJ国際投信・戦略運用部の向吉善秀シニアエコノミストは、「先進国では賃金の上昇率が3%になってくると、過去はCPIが2%程度まで上がってきている。市場はこれまで、米国の物価は落ち着いているという判断だったが、予想外の賃金上昇で利上げペースは悠長なことを言ってられなくなった」と言う。米国株はもともとバリュエーションが高く、「金利上昇が意識されるようなら、もう少し調整があってもおかしくない」と懸念を示した。

Tokyo Stock Exchange As Asian Stocks Rebound After Korean Fears Abate

東証プレート

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  米労働省が2日に発表した1月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数は前月比20万人増え、エコノミスト予想の18万人を上回った。前月は16万人増(速報値14万8000人増)に上方修正された。平均時給は前年比2.9%増と、市場予想(2.6%増)を上回り、2009年6月以降で最大。

  ダラス連銀のカプラン総裁は、18年は米経済にとって非常に力強い年となり、国内総生産(GDP)成長率は2.5ー2.75%との見通しだと語った。利上げについては、「基本シナリオは3回の緩和解除だと考えている。回数はそれを上回る可能性もあり、今後の状況を見守る必要がある」とした。

  2日の米10年債利回りは一時14年1月以降で初めて2.85%を超え、ダウ工業株30種平均は665.75ドル(2.5%)安の25520.96ドルと下げ幅で08年12月以来、下落率で16年6月以来の大幅安となった。日本時間で週明け5日になっても米金利は上昇、S&P500種Eミニ先物は軟調に推移し、米国株の先安警戒感がきょうの日本株にも悪影響を及ぼした。

  東海東京調査センターの平川昇二チーフグローバルストラテジストは、「リーマン・ショック後の米国株高は1株利益とPERの上昇が背景だった。しかし、現在の米国のイールドカーブや株式益回りの水準から考えると、長期金利が2.8%を超えれば超えるほど、PERは下がらざるを得なくなる」と分析。米国は景気が良いところに「減税効果がこれから出てくる上、インフラで財政をさらに吹かそうとしている。景気が良くなればなるほど、インフレ懸念から株が下がりかねない」とも話した。

  きょうのTOPIXと日経平均の下落率は、米大統領選を受けた16年11月9日(4.6%、5.4%)以来の大きさを記録。水戸証券投資顧問部の酒井一チーフファンドマネジャーは、「米国株は高値もみ合いか、下落トレンドに転じるか五分五分となってきた。少なくとも上昇トレンド回帰は望めない」と指摘。金利が明確に低下しない限り、米国株は乱高下する可能性があり、日本株も上昇相場の先導役だった東京エレクトロンが上げ終了の状況となっていることから、日経平均は2万2000円が下値めどとして意識されやすいとの認識を示した。

  もっとも、決算内容が評価されたソニーやホンダは逆行高。日本銀行の上場投資信託(ETF)買いへの期待感もあり、一時下げ幅が600円を超えた日経平均は午後後半にやや下げ渋る場面もあった。三菱国際の向吉氏は、「米金利が3%を超えて上がり、マイナス成長の懸念が出てくるにはまだ少し早い。現状では米景気に対する市場の見方は崩れておらず、日本経済は加速気味で推移しそう」と予想。日経平均はPER14倍台半ばの2万2000円近辺まで下がってくると、「割安に放置されているとの見方も出てくる」と言う。

  東証1部33業種は全て下げ、下落率上位は石油・石炭製品、非鉄金属、鉱業、ガラス・土石製品、パルプ・紙、機械、不動産、サービスなど。売買代金上位では、1月の国内ユニクロの既存店売上高が前年同月比マイナスだったファーストリテイリング、決算にポジティブサプライズがなかったと受け止められたローム、18年3月期の営業利益計画を下方修正したフジクラが安い。決算が好感されたソニーやホンダ、宇部興産は高い。

  • 東証1部の売買高は18億8189万株、売買代金は3兆5672億円
  • 値上がり銘柄数は118、値下がりは1930と全体の94%が下げた
    米長期金利は上昇基調強める
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