Photographer: Akio Kon/Bloomberg

日銀との「0.1%」の攻防続く公算、指し値オペ後も残る金利上昇圧力

  • オペ通知後の新発10年国債利回りは0.095%から0.085%まで低下
  • 「政策の透明性がないことが問題だ」-SBI証券
Photographer: Akio Kon/Bloomberg

日本銀行はこの日、昨年以降で3度目となる指し値オペを実施した。一時0.095%と7カ月ぶりの水準にまで達した長期金利の一段の上昇を抑える姿勢を明確に示した格好だが、欧米金利の上昇が続く中で国内金利も下がりづらくなっており、しばらくは市場が見込む日銀の許容水準「0.1%」の攻防が続く可能性がある。

  日銀が昨年の2月と7月に指し値オペに踏み切った際は、長期金利が0.1%を超えていた。この日は同水準に達していないのにもかかわらず、長期ゾーンの国債買い入れオペ増額と合わせて金利上昇を抑えにかかった。オペ通知後の新発10年国債利回りは0.095%から0.085%まで低下したが、その後は下げ渋っている。

  ブルームバーグニュースがこれまでに集計した来週の新発10年物国債利回りの市場予想は、レンジの上限が0.1%となる一方、下限が0.07%にとどまっている。米国で長期金利が約4年ぶりの水準まで上昇を続けていることや、この日発表の米雇用統計で景気の強さ示されれば金利が一段と上昇する可能性があるとみられているためだ。 

  SMBC日興証券の竹山聡一金利ストラテジストは、長期金利上昇の背景について債券先物の売り圧力の影響を指摘する。「外国人投資家が海外金利や株価との見合いで先物を売っている可能性があり、そういう人にとっては日銀が10年金利を0.1%で止めようが関係ない」と言い、「長期金利の目標引き上げは短期的に考えづらいが、いずれはと思われている面はあるかもしれない」と述べた。

  日銀の黒田東彦総裁は先月の会見で、2%の物価安定の目標の実現までにはなお距離があることを踏まえると、「出口を検討する局面には至っていない」と述べるなど、金融政策修正の思惑を強く否定しているが、市場関係者は額面通りに受け止めていないようだ。

  SBI証券の道家映二チーフ債券ストラテジストは、「日銀は長短金利操作目標をどういう条件で引き上げるのか明らかにしておらず、政策の透明性がないことが問題だ」と指摘。国内外の金利差から国内金利も低下しづらく、「日銀は買い入れ増額を続けられないので、どこかで追い込まれるのではないか」と話した。

  日銀が公表した国債買い入れオペの運営方針によると、来週は7日に中期・長期ゾーン、9日に中期・超長期ゾーンを対象にしたオペの実施が予定されている。

  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、「外部環境的には想定する金利水準が上がってきているので、日銀にいつはしごを外されるかも分からない中で、金利を押し下げる展開にはなりづらいい」と言う。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE