Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

【日本株週間展望】値固め、米金利や業績にらむ-重要日程通過は支え

  • 米金利は14年春以来の水準に上昇、米国株調整なら日本株も売り圧力
  • 国内決算発表はトヨタなど時価総額上位が相次ぐ、好業績は安心感に
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

2月1週(5ー9日)の日本株は2週連続で下げた後の値固めとなりそうだ。米国の長期金利上昇や為替の円高への警戒が払しょくされていない中、国内企業決算の発表がピークを迎え、個別銘柄色が強くなりそう。重要イベント通過によって投資家心理が落ち着き、相場の支えとなる。

  米10年債利回りはことしに入って上昇基調を強め、2014年4月以来となる2.8%に接近した。イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長最後の会合となった1月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、成長の強まりやインフレ率の上昇に自信を深め、利上げを継続していく方針を強調した。5日に発表される1月の米供給管理協会(ISM)非製造業景況指数は56.5と、前月の55.9から上昇が見込まれている。米金利の上昇スピードに歯止めがかからなければ、バリュエーションの高さが指摘される米国株が不安定化し、日本株にも売り圧力が強まりかねない。

決算発表するトヨタの豊田章男社長(昨年5月)

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  このような中、国内企業の決算発表は後半に入り、5日のパナソニックや三菱商事、6日のトヨタ自動車や住友化学、7日のSMC、8日の住友金属鉱山、9日の東レなど、第1週も主要企業の発表が相次ぐ。企業業績は全体的に良好と評価されているものの、足元では任天堂やキーエンスなど好決算を発表した企業の株価がさえず、反応はまちまち。株価指数が26年ぶりの高値圏にある上、ドル・円相場も1ドル=110円を割り込んだ水準で円が高止まりしているだけに、決算が株価を押し上げる動きは限定的とみられる。

  もっとも、世界景気と企業業績が変調をきたす兆しは見られない。国内決算は相場の押し上げ要因にはなりにくくても、株価調整時は見直し買いにつながりやすい。株式相場の基調が転換したとの見方は少ないことから、トランプ米大統領の所信表明演説やFOMCなど重要イベントを通過したこともあり、投資家心理は次第に落ち着く可能性がある。このほかのスケジュールは中国で8日に1月の貿易収支、9日に消費者物価指数など。国内では9日に株価指数2月限オプションの特別清算値(SQ)が算出される。1月第5週の日経平均株価は週間で1.5%安の2万3274円53銭と続落。週間下落率は昨年9月1週以来の大きさだった。

米10年債利回り

≪市場関係者の見方≫
富国生命投資顧問の岡部和男株式運用部長
  「金利動向をにらみながらのもみ合いを想定。適温相場が続く中、日米の金融政策や金利動向に波乱要素が出てきている。FRB議長の交代が米金融政策の一つの転換点になるのではとの連想が米金利に働きやすい一面もある。米国株はバリュエーションが高いだけに、割高感が意識されると株安になり世界景気に悪影響を与えかねない。ただ、グローバル景気や企業業績はすぐに崩れるような状態にはなく、株式市場も大きく崩れにくい。米金利は上昇スピードが速いことから、いったん落ち着きどころを探る可能性もある。国内決算は実績が予想を上回るケースがはるかに多く、第1週も良好な決算内容が予想される」

三井住友アセットマネジメントの金本直樹シニアファンドマネジャー
  「個別銘柄色が強い中で、やや調整含みとなりそうだ。国内企業決算は今期経常17%増益が見込まれる中で出足は悪くない。第1週は海外景気の好転を背景に外需関連の回復が明確に出てくるだろう。ただし株価にはある程度期待値が織り込まれている。為替が円安になれば来期10%超の増益を見込んで買いやすくなるものの、米国の財政問題や新興国への資金流出傾向からドルが強含むのは難しく、上値を試しづらい。米金利上昇が米国株調整のきっかけになれば日本株も影響を受けかねない。ただし、大雪などの天候要因から1月の米国の経済指標はモメンタムが停滞する方向で、そうなれば米金利はいったん調整する可能性もある」

アストマックス投信投資顧問の山田拓也運用部長
  「軟調を予想している。米国は金融政策の正常化に向けて動き始めたところに、減税政策とインフラ投資計画による財政悪化で金利上昇を招きやすい。長期金利は2.9%近くまで上昇する可能性があり、株式にはネガティブに働く。世界経済の堅調を背景にした日本の好決算銘柄物色は続く。しかしマーケットは欲張りで、好決算でも計画通りなら買い上がる力にはならない。目線は来期に向けられており、期待以上の業績計画を示す必要がある。日本株は年初から急スピードで上げ過ぎた分の調整が続く。ただし経済情勢は大きく変わっておらず、日経平均は昨年末の2万2700円台を割ることはない」

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