日本株は反落へ、米長期金利の急上昇を懸念

更新日時
  • 米10年債利回りは2.79%と14年4月以来の高水準、適温相場揺らぐ
  • 業種別では空運や証券、銀行、機械など安い、三井物など商社堅調

2日の東京株式相場は反落。米国長期金利の急ピッチの上昇を受け、マクロ経済や株式市場への資金流入に弊害が及ぶと懸された。京セラやカシオ計算機、ANAホールディングスなど決算失望銘柄の下げがきつく、業種別では下落率1位の空運をはじめ、証券や銀行など金融株、電機や機械など輸出株も安い。

  TOPIXの終値は前日比6.24ポイント(0.3%)安の1864.20、日経平均株価は211円58銭(0.9%)安の2万3274円53銭。

  アストマックス投信投資顧問の山田拓也運用部長は、「年初からの株価急上昇の調整が続く中、米国金利の上昇ピッチが気持ち悪いくらいに速く、マーケットは適温相場を崩す米経済の過熱感を不安視している」と言う。米長期金利は、「2.4%近辺から2.5%まで半年かけて上昇する良い湯加減だったが、減税政策やインフラ投資計画による米国の財政悪化はさらに金利上昇を招きやすい」と先行きにも懸念を示した。

東証内

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  1日の米10年債利回りは一時2.79%と約9ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇、2014年4月以来の高水準となった。米供給管理協会(ISM)が発表した1月の製造業景況指数は、59.1と市場予想の58.6を上回り、約13年ぶりの高水準付近を維持。大和証券投資戦略部の石黒英之シニアストラテジストは、「『適温相場』のもう一つの条件である低金利安定が揺らいでおり、株価は圧縮されやすくなる」と話した。

  金融当局による利上げ見通しを巡り、米国株市場も不安定になっており、同日のダウ工業株30種平均は一時150ドル上げたが、終値は37ドル(0.1%)高と失速、S&P500種株価指数も小安く引けた。

  週末の日本株は米金利動向への懸念、決算失望銘柄に対する売り圧力に加え、前日に約1カ月ぶりの上昇率を記録した反動もあり、TOPIXと日経平均は反落して開始。こうした中、日本銀行は午前10時10分、指定した利回りで金額に制限を設けず、国債を買い入れる指し値オペを約7カ月ぶりに実施した。為替が円安に振れたことを受け日本株もやや下げ渋ったが、その後円が強含んだため、再度売り込まれた日経平均は一時363円(1.6%)安まであった。

  丸三証券の服部誠執行役員は、「指し値オペで金利は低下したものの、ドル・円相場に大きな変化が見られなかったため、失望売りが膨らんだ」とみている。しかし、円高の勢いも続かなかったため、午後にかけてはやや下げ幅を縮めた。

  東証1部33業種は空運、証券・商品先物取引、その他製品、機械、石油・石炭製品、銀行、金属製品、ガラス・土石製品など26業種が下落。上昇は卸売、電気・ガス、海運、小売など7業種。売買代金上位では、第3四半期営業利益がアナリスト予想を下回った京セラやコニカミノルタ、カシオ計算機が急落し、血友病治療薬の減収予想を背景に野村証券が投資判断を下げた中外製薬、中期計画の利益水準の低さや来期の費用増加見通しにアナリストが懸念を示したANAホールディングスも安い。半面、経費削減効果で利益計画を上方修正したリコー、今期経常利益計画を増額した神戸製鋼所、利益増額と自社株買い・消却を材料に三井物産は高い。

  • 東証1部の売買高17億244万株、売買代金は3兆2149億円
  • 値上がり銘柄数は808、値下がりは1186
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