日本と欧州、米国との「通貨冷戦」で敗者に-PIMCOのフェルズ氏

  • トランプ政権の保護主義傾斜を恐れ、日銀とECBは反撃に及び腰
  • 米貿易赤字拡大で「ドル安のダイナミクスはしばらく続く可能性」

ドル安を望む米国は「通貨冷戦」を闘い、勝利を収めつつある。パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)はこのように指摘した。

  PIMCOの世界経済顧問を務めるヨアヒム・フェルズ氏はブログで、2017年初めから約12%に及ぶドル安進行について、財政・金融政策に加えてドルの価値を下げようとする当局者の発言によって促されたものだと指摘。トランプ米政権が保護主義姿勢を強めるのを心配し、日本銀行や欧州中央銀行(ECB)はあまり強く反撃しないようにしているという。

  フェルズ氏は「冷戦は(例えば為替介入といった形で)公然と闘われるのではなく、言葉や隠密作戦が用いられる。こうした措置は暗示的ながらも極めて明確なシグナルを市場に発する。ドル安が目標ということであり、市場はこうしたシグナルを理解している」と記した。

  ブログでは、米国の貿易赤字拡大を背景に、トランプ政権は弱いドルに関心を持ち続けるだろうと予想する。それと同時に、同政権が政策手段として保護主義に訴える意向を示していることから、主要貿易相手である日本と欧州が円やユーロの上昇に歯止めをかける能力は制約されると分析。「ドル安のダイナミクスはしばらく続く可能性がある。通貨冷戦の主人公たちのインセンティブは変わっていない」とフェルズ氏は論じた。

原題:Japan, Europe Losing ‘Cold Currency War’ to the U.S., Pimco Says(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE