Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

FOMC:利上げ意欲、市場は甘く見ている-市場関係者の見方

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米連邦公開市場委員会(FOMC)は1月30、31両日の定例会合で、フェデラルファンド(FF)金利誘導目標を1.25-1.5%のレンジで維持することを決定した。今回はイエレン連邦準備制度理事会(FRB)議長にとって最後の定例会合だった。FOMCは利上げを継続していく方針も強調し、パウエル次期議長の下で3月に利上げを実施する土台を作った格好だ。

  これについての市場関係者の見方は以下の通り。 

◎米国債利回りの上昇が株式相場の調整促す-グロース氏
  ジャナス・ヘンダーソン・グループのファンドマネジャー、ビル・グロース氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、米10年債利回りが3%を付ければ相対的バリュエーションに影響し始めると指摘。債券市場は今週の米国株下落の理由だと述べた。

  • グロース氏は1月31日に米10年債利回りが「3%に向かう」とツイート
  • 債券市場は弱気相場にあるとの見方を繰り返した上で、「それは軽いものだろう」と分析
  • ボラティリティーが急上昇する時が来ているとは思わない。米国債利回りの上昇に歯止めがきかなくなるか、株価が急落すれば、「Fedは恐らく、予想される3回ないし4回の利上げを行わないだろう」
    • そのシナリオでは、Fedは「2018年に1回か2回の利上げを行い、ボラティリティーは大きく低下するはずだ」

◎為替市場はFOMC後の債券利回りの方向性に注目-ドイツ銀行
  為替市場はFOMC声明を「少しタカ派寄り」だが、サプライズはほとんどないと解釈している。ドイツ銀行の外為調査グローバル共同責任者、アラン・ラスキン氏はこう語った。

  • ラスキン氏は「為替市場の大口プレーヤーは利回りからの手掛かりにほぼ従っている」と述べ、米2年債利回りの急上昇に言及し「債券市場は利回り上昇の方向に進んでいる」と指摘

◎FOMC声明はタカ派に転換、3月利上げに含み-三菱東京UFJ銀
  経済調査室の栗原浩史チーフ米国エコノミスト(ニューヨーク在勤)は、少しタカ派方向に変更したことによって、少なくとも次回3月は利上げに前向きだということを示したと語った。

  • 特に物価見通しに関して、今年は上昇すると予想しているというふうに変わったところがタカ派的。税制改革も実現して、最近の原油高やドル安が物価上昇に効くというのもあるため、見通しへの確信が高まってきたことを反映か
  • 情勢に何も変化がなければ、3月に出されるドットチャートは先々含めて相応に上方修正されるのではないか
  • 為替市場では米政権の通商政策に目が向いていて、ドル安が大きく進んできた。今年はかなり強硬な通商政策が実行される年だというようなイメージはちょっとまだ尚早だと思う
  • その見方が少し修正されると、ドルが少し行き過ぎて下がっていた分は戻してもおかしくない

◎FOMCと月末の持ち高調整の終了でドル反発の余地-クレディA
  あまり変化のないFOMC声明がネガティブなトレーディングの合図を出さなかったことから、ドルは多少救われるだろうだとクレディ・アグリコルのストラテジスト、バシーリ・セレブリアコフ氏は予想した。

  • 市場は3月の利上げを既に完全に織り込んでいるため、FOMC声明に大きな変化はなかったとセレブリアコフ氏は電話インタビューでコメント
    • 「来週はFed当局者の発言機会が増えるため、もう少し色合いがはっきりするかもしれない」
  • ドルにマイナスな月末ポートフォリオ調整による資金フローが消えつつある中、「ドルには修正的な反発の余地がある」

◎3月に米利上げの見通し、米国債利回りは徐々に上昇へ-シュワブ
  FOMCの声明はあまり変化しておらず、「3月に利上げを目にする可能性はかなり高いようだ」とチャールズ・シュワブのストラテジスト、キャシー・ジョーンズ氏がインタビューで述べた。

  • Fedによる今年3回の利上げを予想。新しいFRB理事の就任で起こり得る変化の大きさを投資家は過小評価している可能性があると指摘
  • 米国債利回りは徐々に上昇する見通し。米10年債利回りが上昇し得る「上限は3%だろう」

◎FOMCの利上げ意欲、市場はまだ甘く見ている-ブリーン
  米経済が今後数年にわたって改善するのに伴い、着実なペースで利上げを実施していくというFOMCの「意欲と願望」を市場はまだ甘く見ていると、ブリーン・キャピタルの債券戦略責任者スコット・ブフタ氏はリポートで指摘。

  • 減税効果が完全に表面化するのは2019年。年内も一定の効果は見られるだろう
    • 市場は現時点で年内3回、来年1回の利上げを織り込んでいる
  • 3月のFOMC会合で長期のドットが「幾分か上方修正されても驚きではないだろう」

◎FOMCの緩やかなペースは議長交代後も存続するだろう-CIBC
  「案の定、Fedはその漸進主義的な進路を踏襲しており、それは議長交代後も存続するだろう」とCIBCのチーフエコノミスト、エイブリー・シェンフェルド氏はリポートで指摘した。

  • FOMCは「インフレの抑制にはまだ追加利上げが必要ない」と判断した
  • 声明はインフレ率が2%に達するとの確信を強めていることを示したが、景気認識はほとんど変えていない
  • 「ここには見通しを変える内容はなく、2018年に3回の利上げを見込む当社の予想に近いところに落ち着いた」

◎FOMCは3月利上げを示唆、ドルにとって好ましいニュース-SVB
  イエレンFRB議長が退任するのに伴い、FOMC声明は円滑な議長交代を示唆、3月の利上げへの土台を作ったと、シリコン・バレー・バンクのシニア外国為替トレーダー、ミン・トラン氏は指摘。

  • 「ドルにとって好ましいニュースだ」。ドルは「やや売られ過ぎていた」
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