富士フイルム:米ゼロックス株50.1%取得、富士ゼロックスと統合

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  • 統合後の新会社、ニューヨーク証取での上場は維持
  • 米ゼロックスは既存株主に25億ドルの特別配当を計画

富士フイルムホールディングスは31日、米ゼロックスの株式50.1%を取得し富士ゼロックスと経営統合することで合意したと発表した。アジアや太平洋地域に強い富士ゼロックスと欧米に強みを持つゼロックスを統合させシナジー効果を高める。

  ゼロックスが富士ゼロックスを子会社化し、その後に富士フイルムがゼロックスの第三者割当増資を引き受ける形で50.1%を2018年度7-9月期に取得することを予定している。

  富士ゼロックスは富士フイルムが75%の株式を保有する子会社。もともとは折半出資だったが、業績が低迷したゼロックスから01年に株式の一部を買い取り、米社の保有は25%となっていた。米社との商圏の住み分けで、アジアやオーストラリア、ニュージーランドなどに海外展開が制限されている。

栗原社長

Photographer: Kentaro Takahashi/Bloomberg

  富士ゼロックスの栗原博社長は「アナログの時代はそれでよかったが、AI(人工知能)・IoT(モノのインターネット)の時代には合わない。それがなくなるだけでかなりシナジー、メリットがある」と述べた。統合後の社名は富士ゼロックスとする。

  統合の第1段階では、富士ゼロックスが富士フイルムからすべての自社株式を取得。これにより、富士ゼロックスが米社の完全子会社となったところで、米社は既存の自社株主に対し25億ドル(約2720億円)の特別配当を実施する。その後、米社の第三者割当増資を富士フイルムが引き受けることを計画している。

古森会長

Photographer: Kentaro Takahashi/Bloomberg

  同社の古森重隆会長は都内で会見し、「スピーディーで極めて創造的な決断だった。富士ゼロックス、米ゼロックス2社の企業価値をさらに高め、世の中に新しい価値を提供したい」と話した。その上で、「この統合の要になるのが自分の役割だと思う」とし、統合後2-3年は会長職を続けたい意向を示した。

  米ゼロックスを巡っては、筆頭株主で著名投資家のカール・アイカーン氏と第3位株主のダーウィン・ディーソン氏が連携し、22日にCEOの解任や戦略見直しを求める書簡を送付するなど経営陣への圧力を強めていた。両氏で計約15%のゼロックス株式を保有している。富士フイルムの助野健児社長は「新富士ゼロックスの発展を詳細に説明すれば、全ての株主の賛同を得られると確信している」と楽観的な見方を示した。

  富士フイルムは31日、富士ゼロックスが国内外で1万人の人員削減、生産拠点の統廃合を行うことを柱とした構造改革策を発表。その費用計上などで18年3月期の営業利益を従来予想から550億円減の1300億円に修正した。人員削減について、吉沢勝取締役は会見で「過半は海外と考えている」とし、海外の工場や販売の間接部門などを中心に再編を検討する考えを示した。古森会長は、配置転換や有期雇用の契約終了などを活用するため、実際の退職者は1500人程度になるとの見通しを示した。

(第4、7、8段落に会見の内容を追加します.)
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