Photographer: Bloomberg/Bloomberg

岩田日銀副総裁:「私はもう再任されないと確信している」-講演

更新日時
  • 「今日は最後に言いたいことを全部言わせてほしい」-岩田副総裁
  • 任期は3月19日まで、量的・質的金融緩和を主導
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日本銀行の岩田規久男副総裁は31日午前、大分市内での講演の最中に「私はもう再任されないと確信している」と述べた。岩田氏は3月19日に任期満了を迎える。同日午後の記者会見では、次期執行部に現行の金融政策の下で物価目標2%を目指すよう望みを託した。

  岩田氏は講演開始から約50分近くたち、事務方から終了を促す紙を渡された際に、「もっと早くしろということだが、今日は多少長くなると支店長に申し上げた」と述べた上で、「最後に言いたいことを全部言わせてほしい」と語った。

  岩田氏は金融緩和に積極的なリフレ派として知られ、学習院大経済学部教授などを経て、2013年3月に副総裁に就任。デフレ脱却へ向けた量的・質的金融緩和を主導した。就任前の国会所信聴取では、2%の物価安定目標を2年以内に達成できなかった場合は「最高の責任の取り方は辞職するということだ」との認識を示していた。

  講演では、「2%の物価目標の達成には道半ばだ」と述べた。理由として、14年の消費税率引き上げや原油価格の大幅下落により実際の物価上昇率が下落し、「予想物価上昇率が弱含みに転じた」ことを挙げた。

  会見では、「マネタリーベースさえ上げれば、デフレ脱却できるということは、私の本を全部読んでもらえば書いていない」と言明。2%の物価目標を目指すコミットメントが大事であり、単純にマネタリーベースを増やせば物価が上がると言った訳ではないと強調した。

辞めてから良くなる

  岩田氏はまた、「ようやく世界経済が立ち直ってきて、貿易も良くなってくる中で、日本も予想物価上昇率が次第に底を打って上がってきている状況だ。18年、私が辞めてからだんだん良くなるのではないか」と述べた。

  次期執行部の金融政策の運営については「もっと良い枠組みが見つかって絶対確信があるというのでない限り、今の長短金利操作が望ましい。それを物価2%に向けて粘り強くやっていくことが大事だ」と期待をかけた。

  岩田氏は75歳。任期中、病気療養に2回入ったことから、後任の副総裁の資質について「私は最後の方は体調があまり良くなかったので、健康も非常に大事だ。私のように体調を崩す人はだめだ」とも語った。

  SMBC日興証券の丸山義正チーフマーケットエコノミストは電話取材で、年齢や健康面から岩田氏の再任はないとした発言に驚きはないと説明。岩田氏には日銀の「金融政策の規格を変えたという自負」と2%目標の「ゴールまでは見届けられなかった」という相反する思いがあると推測した。

(最終段落に外部コメントを追加し、更新します.)
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