トムソン・ロイターは報道の原点に回帰、ブラックストーンに事業売却

  • 金融データを扱うF&R事業の株式55%の売却で合意
  • カナダの富豪トムソン家、1931年のラジオ局買収を機にメディア進出

カナダで最も裕福な一族の第3世代でトムソン・ロイターを率いるデービッド・トムソン氏は、金融データ事業の過半数株式をブラックストーン・グループに売却することにより、報道というビジネスの原点に回帰する。

  トムソン氏の祖父ロイ・トムソン氏が1931年に買収した小さなラジオ局から出発しメディア帝国に躍進した同社は30日、ファイナンシャル&リスク(F&R)事業の株式55%をブラックストーン・グループが率いる投資家グループに売却することに合意した。今回の取引で同事業は200億ドル(約2兆1800億円)と評価された。トムソン氏は10年前にトムソンとロイター・グループの合併をまとめた後、国際金融の浮き沈みや伝統的メディアの激変で難しい状況に直面していた。

  バートン・テイラー・インターナショナル・コンサルティングのマネジングパートナー、ダグラス・B・テイラー氏は電話取材に対し、「同社の歴史で重大な分岐点だ。ここ数年私は、いつか金融データ事業をトムソン家が売却する日が来ると思っていた。ロイター買収以来、かなりの違和感があった」と指摘した。

  トロントに拠点を置くトムソン・ロイターを一族の持ち株会社で支配するトムソン家は、今回の取引により、成長が鈍化する金融データ事業からの一部収入を維持しながら、法務・会計部門とロイター通信を維持する。ロイター通信は1800年代に英仏海峡をまたいで株価情報を配信するサービスを起源とする。
  
  トムソン・ロイターは統合以来、苦戦しており、株価は金融危機で下落。その後、米株式市場全般よりも株価の戻りは鈍い。

  ブルームバーグ・ニュースの親会社、ブルームバーグ・エル・ピーは、ニュースおよび金融情報などの提供でトムソン・ロイターと競合関係にある。ブルームバーグ・エル・ピーのピーター・グラウアー会長はブラックストーンの非業務執行取締役。

原題:Thomsons Go Back to News Roots With Sale of Unit to Blackstone(抜粋)

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