新生銀:「公約」の株主還元策をようやく公表、自己株取得100億円

  • 配当性向が極端に低く、株主のダルトンは自己株買いを要求
  • 公的資金返済の制約あり、「精一杯の結果」と松井証の田村氏

配当性向が金融機関の中で極度に低く、株主から批判を受けていた新生銀行は31日、100億円を上限とした自己株式を取得する方針を明らかにした。同行は期初に株主還元計画を策定する考えを初めて明らかにしていたが、具体案作りは遅れており、専門家らが進捗を注視していた。

  同日発表した4-12月期の連結決算資料で明らかにした。自己株買いは2月ー7月の間に行い、前期(2017年3月期)の当期純利益(507億円)に対する総還元性向は25%としている。同行広報担当の江口静代氏は、さらなる株主還元策の公表について「現時点で追加で伝えられることはないが、株主還元の改善については引き続き検討を進めている」とコメントした。

  ブルームバーグのデータによると、新生銀の直近年の配当性向は日本の金融機関86社の中でも極めて低く、5.1%と平均の23%を大きく下回る。ヘッジファンドで同行株主のダルトン・インベストメンツは昨年3月、「相当規模の余剰資本がある」として2000億円規模の自己株買いを促した。

  同行は昨年5月の前期決算資料で、株主還元計画を策定するとの考えを初めて明記したが、平野昇一シニアオフィサーは昨年11月になっても、検討中という以外新たなコメントはないと表明。アナリスト向け決算説明会のたびに質問に上がるなど、専門家の関心を集めてきた。

公的資金返済の制約

  新生銀は1990年代後半からの金融危機時に注入された公的資金を唯一完済しておらず、政府は3500億円の回収目標を掲げている。同行経営陣は過去の株主総会で、公的資金注入行としての返済原資の確保に努めつつ、配当政策も含め株主還元は今後も検討していくとの考えを示していた。

  松井証券の田村晋一ストラテジストは、コーポレートガバナンスに対する関心が急速に高まり「他行が株主還元策を強める中で、公的資金の返済原資確保という制約がある新生銀のみが置いていかれてしまった。見劣りはしても、新生銀としては精一杯の結果ではないか」と述べた。

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