日銀、金利上昇をオペ増額で対応-あす10年入札が「正念場」との見方

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  • 5-10年オペを増額したかったが消去法的に3-5年を増額-野村証
  • 米金利次第で円金利が上を試す動き出ておかしくない-バークレイズ

日本銀行の黒田総裁

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

日本銀行は長期金利が0.1%に接近したことに対し、中期ゾーンの国債買い入れオペの増額で一段の金利上昇を回避したものの、市場ではあすの10年国債入札を無事に乗り越えられるかどうかが注目されている。

  日銀は31日午前の金融調節で、残存3年超5年以下の国債買い入れオペを前回から300億円多い3300億円と約半年ぶりに増額した。前日に新発10年国債利回りが一時0.095%と昨年7月以来の水準まで上昇した。この日は長期債対象のオペが予定されていない一方、10年入札に向けた売り圧力が掛かりやすく、中期債のオペ増額で日銀の金利抑制姿勢を示した形だ。

  野村証券の中島武信クオンツ・ストラテジストは、「本来なら残存5ー10年のオペを増額したかったが、消去法的に3-5年を増額したのだろう。あすは10年入札で10年金利が上昇しやすい上、財政ファイナンス懸念を避ける観点から10年指し値オペは実施しにくい」と指摘した。

  財務省は2月1日、10年利付国債入札を実施する。国債入札日には、その対象年限となるゾーンの日銀買い入れオペは原則オファーされない。また、残存5年超10年以下の指し値オペは過去2回実施ともに利回り水準が0.11%で実施。同入札の落札利回りが0.11%を上回った場合、日銀は金利上昇を抑えるために新発債を無制限に買い入れる必要が出てくる可能性もある。

  野村証の中島氏は、「あさってになれば、5-10年のオペを増額実施して10年金利の上昇を止めればよい。明日が正念場」だと述べた。

オペ増額で安心感

  長期金利の指標となる新発10年国債349回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値と横ばいの0.09%で取引を始めたが、オペ通知後に0.5ベーシスポイント(bp)低い0.085%を付け、午後は0.08%まで低下している。長期国債先物3月物は朝方に前日比2銭安の150円15銭まで売られたが、午後はオペ結果も好感して一時18銭高の150円35銭まで上昇している。

  バークレイズ証券の押久保直也債券ストラテジストは、「10年金利の0.1%を気にしているところだろうが、きょうのところは5年ゾーンのオペ増額で日銀の姿勢を示した。多少は安心感が出た」と指摘。一方、「米国金利がもう一段上がってくれば円債金利が再び上を試す動きが出てきてもおかしくない」として、「リスクとしてはオペは増額方向」とみている。

  今月の市場では9日に超長期ゾーンの国債買い入れオペが減額されたことをきっかけに、日銀による早期の緩和縮小観測が浮上。国内外の金利上昇と円高が進んだ。その後、欧米の長期金利が一段と上昇したことで円債市場にも金利上昇圧力が続いている。30日の米国10年債利回りは一時2.73%と、2014年4月以来の高水準を付けた。

  ニッセイアセットマネジメント債券運用部の三浦英一郎リードポートフォリオマネジャーは、「きょうの増額で落ち着かなかったら、指し値オペを試しに行く展開はあると思う」と指摘。「それが出れば少なくとも債券市場では日銀の出口論は相当先だということで後退していくだろう。為替の方は1年から2年くらい先かもしれないものをみているので、それで収まるかどうか分からない」としている。

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