Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

日本株ことし最大の下げ、米金利高で「適温」逆流を警戒-全業種安い

更新日時
  • 先物主導で日経平均の下落幅400円に迫る、米長期金利は2.7%乗せ
  • 高額「iPhoneX」が不振、販売予想の下方修正相次ぐ
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

30日の東京株式相場は、主要株価指数が下げ幅、下落率でことし最大を記録。米国の長期金利が約4年ぶりの高水準に達し、過剰流動性の逆流や為替の円高リスクに対する警戒が強まった。電機や化学、情報・通信、その他金融株のほか、原油反落を受けた鉱業、石油株など全業種が安い。

  TOPIXの終値は前日比22.32ポイント(1.2%)安の1858.13と反落、日経平均株価は337円37銭(1.4%)安の2万3291円97銭と5営業日続落。両指数の下げ幅、下落率は昨年12月6日以来の大きさ。

  SMBC信託銀行投資調査部の佐溝将司マーケットアナリストは、「米国の長期金利上昇が流動性相場の逆回転を意識させ、『適温相場』のゆがみが見えてきたことを嫌気した」と指摘。米長期金利は2016年12月と17年3月に2.6%を上限としていたが、「この水準を抜けてきたことで上昇に弾みがつきやすい」と懸念を示した。

株価ボード前の人(イメージ)

Photographer: Akio Kon/Bloomberg

  29日の米10年債利回りは4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上げ、14年以来となる2.7%を付けた。商務省が発表した昨年12月の米個人消費支出(PCE)は前月比0.4%増と市場予想と一致。前月は0.8%増と速報値の0.6%増から上方修正され、個人所得は0.4%増、賃金はここ3カ月で最も伸びた。

  SMBC日興証券投資情報部の松野利彦氏は、「米経済は予想以上に良い」とした半面、「利上げ予想は年3回から引き上げられるとの観測もある。金利上昇は企業活動を抑制する可能性があり、株式市場にとってもネガティブ」と話した。

  29日の米国株は、S&P500種株価指数が0.7%安と昨年9月以降で最大の下げとなり、ニューヨーク原油先物は0.9%安の1バレル=65.56ドルと反落した。海外市場のリスク資産敬遠の流れを受けたきょうの日本株は売り先行で開始。注目度の高いトランプ米大統領の一般教書演説も控え、買いが入りにくい中、午後にかけて一段安となり、日経平均は一時395円(1.7%)安と下げ幅が400円に迫った。SMBC日興証の松野氏は、「米当局が利上げに対し前のめりなのか、トランプ大統領が世界経済に影響を及ぼす保護主義政策を強く打ち出すのか、注目している」と言う。

  午後の下げ拡大は為替の円高進行に対する根強い懸念も一因。ドル・円は正午前にかけ1ドル=109円20銭までドル高・円安方向に振れたが、その後は108円60銭台まで円が強含んだ。野村証券の山口正章エクイティ・マーケット・ストラテジストは、「米金利の上昇により本来はドル高・円安に向かうが、最近のユーロ高に引っ張られたドル安の影響で円高基調が続き、警戒が継続している」と指摘した。

  東証1部33業種は全て下げ、下落率上位は石油・石炭製品、鉱業、その他金融、建設、電機、ガラス・土石製品、保険、サービス、化学など。電機では、東京エレクトロンなど半導体関連のほか、村田製作所やTDKなどアップル関連の電子部品銘柄が安い。米投資会社のオッペンハイマーは米アップルのことし3月と6月の「iPhone(アイフォーン)」出荷台数見通しをそれぞれ1000万台、800万台引き下げた。「iPhoneX(テン)」の価格が高いことなどで、アップグレードするユーザー数は予想を下回る状況が続くとみている。みずほ証券も読みが甘かったとし、「X」の総生産数を再度引き下げた。

  売買代金上位では信越化学工業や楽天、リクルートホールディングス、決算内容が市場コンセンサスを下回り、ネガティブと三菱UFJモルガン・スタンレー証券が指摘した積水化学工業が安い。半面、四半期営業利益が市場予想を超過したJSRは急騰。通期利益計画を上方修正し、野村証券が目標株価を上げた日立建機、四半期営業利益が市場予想を上回ったヤクルト本社も高い。

  • 東証1部の売買高は17億272万株、売買代金は3兆3217億円、TOPIX浮動株見直しに伴うリバランスがあった影響で代金は前日から28%増えた
  • 値上がり銘柄数は255、値下がりは1760
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