一般教書演説で注目のセクター:鉄鋼、電波塔REIT、国防、金融

  • インフラ支出に言及すれば鉄鋼・アルミ関連株が動く可能性
  • 5G網構築計画を強調ならAT&Tなどに打撃も

トランプ大統領

Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

30日夜の一般教書演説トランプ米大統領はどんな顔を見せるだろうか。スイス・ダボスの世界経済フォーラム(WEF)での演説のように、スピーチ草稿から外れない比較的節度あるビジネスマンの顔を見せることを投資家は期待している。投資家は、大統領がインフラや国防支出、金融規制緩和、住宅政策、移民、福祉、貿易に関して何を語るか、注目している。ヘルスケアとプエルトリコに関しては恐らくほとんど言及されない可能性が高い。

  各分野の注目ポイントは以下の通り。

インフラ

  メリウス・リサーチのスコット・デービス最高経営責任者(CEO)はブルームバーグへの電子メールで、「インフラ刺激策の規模と、何を重視するかに関する手掛かり」のほか、時期や予算の詳細が一般教書演説で得られることを期待している。

  ジェフリーズのアナリスト、フィリップ・オン氏はリポートで、トランプ大統領は総額1兆7000億ドル(約185兆円)のインフラ投資計画の概要を示す見込みだとし、同計画は2019年と20年のインフラ支出を33%押し上げる可能性があると予想。ただ、「依然として財源や法案が議会を通過できるかに関して多くの問題が存在する」と指摘した。

  コンパス・ポイントのアイザック・ボルタンスキー氏はリポートで、範囲を絞ったインフラ計画は法制化される可能性があるが、「1兆7000億ドル規模の計画は、財源を巡る懸念や政治的逆風を考慮すれば実現性は全く低いようだ」と述べた。

  ブルームバーグ・インテリジェンスのアナリスト、アンドルー・コスグローブ氏は、トランプ大統領がインフラ支出に関して言及すれば、鉄鋼とアルミニウム関連株が動く可能性があると指摘。特に、通商拡大法232条に基づく鉄鋼・アルミ輸入の調査結果を踏まえ、トランプ大統領が関税など輸入制限を発動する可能性があることを考慮すれば、米国の鉄鋼メーカーにプラスになる可能性があるとした。インフラ支出が需要を押し上げる可能性があることから、注目銘柄はニューコアとコマーシャル・メタルズ、スチール・ダイナミクス。
  
  トランプ大統領が次世代高速通信「5G」のネットワーク構築計画を強調した場合、電波通信塔に特化した不動産投資信託(REIT)、アメリカン・タワー、クラウン・キャッスル・インターナショナル、SBAコミュニケーションズに恩恵をもたらす見込み。国有ネットワークが発表されれば、独自の5G計画を有するAT&Tやベライゾン・コミュニケーションズは打撃を受ける可能性がある。

国防

  トランプ大統領は自身の予算案発表に伴い、前年度を7.2%上回る国防費7160億ドルを求める見込みで、投資家は国防支出の新たな情報に注目している。米当局者が26日に国防費7160億ドルを認めたことから、29日には航空宇宙・国防株が最高値を更新した。

金融

  銀行株はKBW銀行株指数が16年11月8日以来55%上げるなど、最も高いパフォーマンスを示しているセクターであり、一般教書演説でもどう言及されるか注目されよう。

  トランプ大統領は米金融当局の銀行規制緩和の取り組みを強調する可能性がある。ハイト・セキュリティーズのエドウィン・グロシャンズ氏はブルームバーグへの電子メールで、大統領はクラポ上院銀行委員長の銀行規制緩和法案や、マルバニー行政管理予算局(OMB)局長が消費者金融保護局長代行として取り組んでいるプリペイドカードや債権回収、ペイデイローンにも言及する可能性があると記した。また住宅金融改革の問題も取り上げる見通しで、サプライズとしてより手ごろな住宅ローンを提案する可能性もある。

  コンパス・ポイントのボルタンスキ-氏はリポートで、トランプ大統領は経済政策に関して、株式相場の上昇や低い失業率、税制改革への企業の反応など「比較的大きなテーマ」に重点を置き、大手銀課税やグラス・スティーガル法の復活などよりポピュリスト的テーマは避ける可能性が高いと述べた。

原題:Davos-Man Trump May Dominate State of Union: Sectors to Watch(抜粋)

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