ドル・円は上昇、米長期金利上昇で一時109円ちょうど付近

更新日時
  • 米10年債利回りは14年5月以来の2.69%付近まで上昇
  • 一般教書演説、FOMCなど米イベント控えてドルの上値は限定的

東京外国為替市場のドル・円相場は上昇。米長期金利の上昇を背景にドル買いが強まり、一時1ドル=109円ちょうど付近まで値を切り上げる場面がみられた。

  ドル・円は29日午後3時05分現在、前週末比0.2%高の108円81銭。米長期金利の上昇に連れて一時108円99銭まで値を切り上げた。ただ、トランプ大統領の一般教書演説や米連邦公開市場委員会(FOMC)、米雇用統計の発表などのイベントを週内に控えて、ドルの上値は限定的。午後にかけては日本株が下げに転じたこともあり、やや伸び悩んだ。

  あおぞら銀行市場商品部為替マーケットメイク課の渡辺秀生課長は、先週は要人発言などに振らされ、どちらかというと保護貿易主義的な話でドル安という感じになったが、ドル安も結構進み、「いったん落ち着きどころを探れるかが今週の注目点」と指摘。ドル・円は金利との相関が崩れていたが、「その辺をずっと無視してドル安で行けるかというところもある」と話した。

  米10年債利回りは時間外取引で、一時2.8ベーシスポイント(bp)高の2.688%と2014年5月以来の水準に上昇した。ドルは主要通貨ほぼ全てに対して前日終値比で上昇。ユーロ・ドル相場はほぼ横ばいの1ユーロ=1.2424ドル。一時は1.2385ドルまでドル高・ユーロ安に振れた。

  CIBC証券金融商品部の春木康部長は、「米10年債利回りがこれまでの高値を抜けてきたことに反応して、ドルが買われているが、特に目立ったニュースはあるわけでもない」と説明。SBI証券IFAビジネス部の相馬勉部長は、「今月は米株が上昇しドル安になったので、月末のリバランスの調整でドル買い戻しがあってもおかしくない」とする一方、「市場では何が出てもドル売りという雰囲気もある」と話した。

  ホワイトハウス当局者によると、30日のトランプ大統領の一般教書演説ではアジェンダにインフラ再構築・改善の計画、規制緩和の取り組みの継続、移民制度の見直しが含まれる。保護主義的な通商政策を強調する見込みだが、北米自由貿易協定(NAFTA)からの離脱を正式に表明することはしない見込みという。

  先週はトランプ大統領が強いドルを支持する姿勢を示し、環太平洋連携協定(TPP)への復帰の可能性を示唆したことが好感されてドルが反発する場面が見られたが、長続きしなかった。週末には日本銀行の黒田東彦総裁がダボスでインフレ率が「ようやく目標に近い」と発言したことを受け、日銀の早期緩和縮小観測が再燃。ドル・円は一時108円28銭と昨年9月以来の安値を更新したが、日銀が黒田総裁は物価見通しについて見解を変えたわけではないと説明すると下げ幅を縮小した。財務省などは29日、国際金融資本市場に係る情報交換会合を午後4時半から開催する。
  
  三菱東京UFJ銀行金融市場為替グループの野本尚宏調査役は、一般教書演説で貿易摩擦を助長するようなことが出てくると、株が下がり、ドル・円が下値をトライする可能性がある一方、先週のムニューシン米財務長官のドル安発言をカバーしたような発言が出たり、事前報道を上回る規模のインフラ投資計画が発表されれば、ドルの買い戻しが入る可能性もあると指摘。「どちらかというとショートカバーに注意したいが、上がったら売りたい人はいる」と話した。

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