ドル・円は109円台で伸び悩み、米保護貿易懸念が上値抑制

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  • 朝方は109円77銭まで買いが先行、午後は109円16銭まで値を下げる
  • トランプ演説確認しないとドル高戦略取りにくい-外為どっとコム

東京外国為替市場のドル・円相場は1ドル=109円台で伸び悩み。前日のトランプ米大統領の「強いドル」支持発言を受けてドル買いが先行したものの、米国の保護貿易への懸念がくすぶる中、ドルの上値は重かった。

  ドル・円は26日午後3時51分現在、前日比0.2%安の109円20銭。朝方は海外市場の流れを引き継ぎ、一時109円77銭とトランプ発言後の戻り高値を更新。その後徐々に伸び悩み、午後には109円17銭まで値を切り下げた。前日の海外ではドル安の流れが続き、一時108円50銭と昨年9月以来の安値を付けた後、トランプ大統領の「ドルはますます強くなるだろう、最終的に私は強いドルを望んでいる」との発言が伝わり、109円台後半まで反発していた。

  外為どっとコム総研の神田卓也取締役調査部長は、「ムニューシン財務長官のドル安発言をトランプ大統領が否定した形だが、それが本意かくみ取りにくく、トランプ政権はドル安志向があるのではないかとの疑念はなかなか晴れない」と指摘。今夜のトランプ大統領の演説や来週の一般教書演説を確認してからでないと「投資家もドル安戦略から急反転してドル高政略を取りにくいだろう」と語った。

   トランプ大統領は日本時間26日午後10時にダボスで演説を行う。今週、国内産業保護のため太陽電池パネルと洗濯機への緊急輸入制限(セーフガード)を発動した大統領は、「米国第一」の経済・外交政策を提唱する機会を得る。

  トランプ大統領は25日、CNBCに対し、ドル安は貿易にとって好ましいとするムニューシン米財務長官の24日の発言は文脈から外れて解釈されたと話した。麻生太郎財務相は26日の閣議後の会見で、国際競争のために為替レートを目標としないという先進7カ国(G7)や20カ国・地域(G20)の合意に適切に対応すべきだと述べた。

  神田氏は、トランプ大統領のTPP復帰についての発言も保護主義傾斜への懸念を弱めただけに、今夜の演説の内容は注目で、来週の一般教書演説の中身も気になると指摘。いずれも無難に消化できれば、来週は米連邦公開市場委員会(FOMC)や米雇用統計の発表があるため、「米景気の強さに少しずつ視点が戻ってくるきっかけの1週間になってもいい」と語った。

  ユーロ・ドル相場は前日比0.4%高の1ユーロ=1.2446ドル。前日の海外市場ではドラギ欧州中央銀行(ECB)の会見中に一時1.2537ドルと2014年12月以来の高値を更新した後、トランプ大統領発言を受けて1.2364ドルまで反落。この日の東京市場では1.23ドル台後半から1.2452ドルまでユーロ買い・ドル売りが進んだ。

ドラギ総裁の会見についてはこちらをご覧ください。

  ドイツ証券外国為替営業部の小川和宏ディレクターは、「ECB政策委員会を通して見えたことは、ユーロはスピードの問題はあるが、さらに上がる可能性があるということで、その分ドル・円の重しになりそう」と指摘。また、米貿易交渉に為替を含めるかという点に関して今の時点ではないとみられるが、不透明感が残るうちは、ドルそのものの重さは続きそうと語った。

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