ドル全面安、米財務長官発言や保護主義警戒で-対円は4カ月ぶり安値

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  • 仲値公表にかけ109円47銭まで上昇後、午後に一時108円80銭まで下落
  • 米保護主義への警戒が残るうちはドル売り圧力は続く-ANZ

東京外国為替市場でドルは主要通貨に対してほぼ全面安。前日のムニューシン米財務長官のドル安容認発言に加え、トランプ米大統領の演説を26日に控えて保護主義への警戒感からドル売りが継続し、対円では約4カ月ぶりの安値を更新した。

  ドル・円相場は25日午後3時20分現在、前日比0.4%安の1ドル=108円84銭。商業決済が集中する五・十日の仲値公表に向けたドル需要で109円47銭まで上昇した後は値を切り下げ、午後には一時108円80銭と昨年9月11日以来のドル高・円安水準を更新した。主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は一時0.4%安の1115.92と2014年12月17日以来の水準まで下落した。

  オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)マーケッツ本部の吉利重毅外国為替・コモディティー営業部長は、「トランプ大統領は先に大きなことを打ち上げて、そこから妥協点を探っていく傾向がある。ダボス会議での演説、北米自由貿易協定(NAFTA)交渉、米韓自由貿易協定(FTA)、米中の貿易問題などの交渉が落ち着き、保護主義に伴う貿易戦争には至らないことの確認が必要」と指摘。「その警戒が残る現状ではドル売り圧力は続き、ドル・円は下押し圧力が掛かる状態が続きそう」と述べた。

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  三井住友銀行の宇野大介チーフストラテジストは、ドル・円について、「26日に予定されているトランプ大統領の演説を受けてドル売り継続の方向ではないか。麻生財務相から口先介入はないと思う」と語り、今週のドル・円の下値めどは昨年安値107円32銭、上値めどは110円00銭との見方を示した。

  ユーロ・ドル相場は同時刻現在、0.4%高の1ユーロ=1.2452ドル。一時1.2459ドルと14年12月17日以来のユーロ高・ドル安水準を更新した。欧州中央銀行(ECB)はこの日、政策委員会を開催し、ドラギ総裁が会見を行う。市場予想では金融政策の現状維持が見込まれている。

  ソシエテ・ジェネラル銀行の鈴木恭輔為替資金営業部長は、「ユーロはドル安の副作用で上がっているのは間違いないが、ECBに向けて結構ショート(売り建て)を振っていた人が全部切らされている感じ」と分析。「今回のECB会合で特に何も期待されていることはなく、今までのユーロ高は長期的観点で考えてユーロ買いをしてきた人が結構多い。その見方が正しいとすれば、きょうハト派的な発言があっても、あまりユーロ売りに傾かないだろう」と述べた。

  ポンド・ドル相場は同時刻現在、0.5%高の1ポンド=1.4315ドル。一時1.4318ドルと16年6月24日以来のポンド高・ドル安水準を更新した。

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