米国債、月末にかけ劇的な年金資金流入か-値下がり局面は一時停止も

  • 株高背景に年金基金は月末にかけ債券240億ドル購入へ-クレディS
  • 株式1%の値上がりで債券250億ドル購入の必要性-JPモルガン

ビル・グロース氏やレイ・ダリオ氏といった著名ファンドマネジャーらは米国債の弱気相場入りを話題にしているが、売り局面がこの先しばらく止まって相場が落ち着いたとしても、驚かないことだ。

  というのも、ウォール街ではクレディ・スイス・グループやJPモルガン・チェースなどさまざまな金融機関のストラテジストらが、株価上昇を背景に米年金基金が資産の再配分を迫られ、債券の潜在需要が高まっていると指摘しているからだ。米S&P500種株価指数は年初来で約6.2%上昇。一方で10年物米国債先物は1.5%値下がりし、利回りは2014年以来の高水準となっている。

  株高・債券安を背景に年金基金はこれから月末にかけて、債券を240億ドル(約2兆6300億円)相当購入する一方、米国株を120億ドル相当売却すると、クレディ・スイスの計算モデルは示す。月末までに資産配分の要件を満たすためで、残された営業日は25日を含めて5日しかない。しかも米連邦公開市場委員会(FOMC)の政策決定発表が31日にあるため、一部の年金基金は取引を急ぐかもしれない。

  JPモルガンのニコラオス・パニギルトゾグロウ氏ら同行ストラテジストはリポートで、「債券相場を支える大きな力の一つがさまざまな資産を運用する投資家からの資産再配分の流れで、彼らはポートフォリオの中で株式のウエートが高くなり過ぎるのを防ごうとしている」と説明。「今年は年初からの株式相場の上昇が急激だったので、一段と大きな再配分が必要とされる」という。

  同行の試算によると、株式が1%値上がりするごとに米年金基金には、均衡の取れた資産配分のために250億ドル相当の債券購入の必要性が生じる。米国の州および地方自治体の確定給付型年金は配分が株式約60%、債券25%、民間では株式50%に対し債券40%に近い割合となっており、全体で1250億ドル相当が再配分対象という。  

  年金基金が購入する債券の大半は超長期債とみられ、イールドカーブ平たん化の傾向を支える。米5年債と30年債の利回り格差は07年以来の水準に近い小ささとなっている。

  18年の米国債市場には発行拡大懸念があるものの、米国株の強気相場が続く限り、年金基金からの債券需要は増えそうだ。

原題:Wall Street Warns of Seismic Pension Shift Into Bonds This Month(抜粋)

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