日本株は続落、円高加速やロシア疑惑を警戒-輸出、金融中心売られる

更新日時
  • ムニューシン米財務長官はドル安を支持、ロス商務長官は火消し
  • 米経済サプライズ指数にピークアウトの兆し、ECB理事会注視も

25日の東京株式相場は続落。米国財務長官のドル安支持をきっかけにした為替の円高加速、米大統領選を巡るロシア疑惑捜査への警戒でリスク回避の売りが増えた。電機や機械など輸出株、銀行など金融株中心に幅広く安い。原油高による燃料コストのアップが懸念された空運株は業種別下落率1位。

  TOPIXの終値は前日比16.67ポイント(0.9%)安の1884.56、日経平均株価は271円29銭(1.1%)安の2万3669円49銭。

  セゾン投信の瀬下哲雄運用部長は、「ロシアゲートの捜査進展で米国の政治的な不透明感が高まり、ドル安・円高に拍車をかけている」と指摘。テールリスクではあるが、トランプ大統領の共謀の可能性も捨て切れず、「トランプ政権への期待で株高・ドル安となっていた流れが一転、リスクオフに転換してしまう可能性がある」と話した。

東証外観

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  ムニューシン米財務長官は24日、世界経済フォーラムが開かれているスイスのダボスで記者団に対し、「ドル安は貿易と機会に関連するため、われわれにとって良いことだ」と述べ、ドル安への支持を表明した。ムニューシン長官の発言後、ロス商務長官が火消しに動いたが、ドルが売られた海外市場の流れを受け継いだきょうのドル・円は1ドル=108円90銭台と、4カ月ぶりのドル安・円高水準に振れた。前日の日本株終値時点は109円95銭。

  また、トランプ米大統領は24日、2016年の米大統領選に対するロシア干渉疑惑を捜査しているモラー特別検察官と宣誓の上で話をする用意がある、と述べた。聴取が2、3週間以内に行われる可能性がある。

  円高への警戒で、きょうの日本株は下落して開始。朝方の売り一巡後、下げ渋る場面もあったが、午後は先物主導で再度下げ足を速め、日経平均の下げ幅は一時300円に迫った。野村証券金融市場調査部の髙田将成クオンツ・ストラテジストは、熱狂的なドル売りの猛威が直撃しており、商品投資顧問(CTA)はまだ打診的な売りにとどめているが、反転のきっかけをつかめなければ、「昨年安値107円84銭まで一本調子でショートが打ち込まれる定石通りの展開が現実味を帯びよう」としている。日経先物の地盤も緩み始めており、「CTAも上値追いをいったん諦め、ロングの利食いに転じたもよう」と指摘した。

  セゾン投信の瀬下氏は、「日本銀行総裁が金融緩和継続を主張しても、市場はまともに受け取らず、発言よりも本当にできるのかというところに移っている」とみる。25日の欧州中央銀行(ECB)の定例政策委員会でも、「引き締め懸念を火消ししたが、打ち消せず、ユーロ高・円高の傾向が続いていく可能性は高い」と懸念を示した。

  米経済統計のさえない内容も投資家心理にマイナスだ。全米不動産業者協会が24日に発表した昨年12月の中古住宅販売件数は、4カ月ぶりに前月比マイナスとなり、年換算で557万戸と市場予想の570万戸を下回った。東海東京調査センターの鈴木誠一シニアマーケットアナリストは、「期待に比べ実際の経済が追いつかなくなってきていることを示す経済指標が出ている以上、株価も期待値を下げる必要がある」と言う。事前の期待値と実際の統計数値のギャップを表すシティグループ米経済サプライズ指数は直近で49.70と、昨年12月22日の84.50をピークに低下傾向にある。

  東証1部33業種は空運、電機、銀行、機械、その他製品、輸送用機器、海運、証券・商品先物取引、精密機器など30業種が下落。上昇は石油・石炭製品と鉱業、陸運の3業種。

  売買代金上位では、野村証券が米アップルのiPhone出荷台数予測を下方修正した影響で、アルプス電気やミネベアミツミなど電子部品株が安い。ファーストリテイリングやキーエンス、三菱重工業も下げた。半面、第3四半期営業利益は市場予想を下回ったが、一過性費用を除けば想定線とゴールドマン・サックス証券が指摘した日本電産は堅調。SMBC日興証券が強気判断に上げた電通は大きく上げた。

  • 東証1部の売買高は15億6333万株、売買代金は2兆9626億円
  • 値上がり銘柄数は462、値下がりは1519
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