ドルが一時4カ月ぶり110円台割れ、米保護主義警戒でドル売り加速

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  • ブルームバーグ・ドル・スポット指数は3年ぶり安値を更新
  • 良好なリスク環境に加え、円ショートの巻き戻しも-三井住友信託

東京外国為替市場のドル・円相場は昨年9月15日以来となる1ドル=109円台まで一時下落した。世界的な株価や商品市況の堅調を受けたリスク選好の地合いに加え、緊急輸入制限(セーフガード)発動に踏み切った米政権の保護主義的姿勢に対する警戒感から、ドルは主要通貨に対してほぼ全面安の展開となった。

  24日午後4時16分現在、ドル・円相場は前日比0.2%安の110円06銭。一時は109円81銭までドルが売られた。ブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.3%安の1128.13と2015年1月以来の低水準を付けている。ユーロが対ドルで14年12月以来の高値となる1ユーロ=1.2335ドルを付けたほか、ポンドは1ポンド=1.4049ドルと16年6月以来の高値を更新した。

  三井住友信託銀行マーケット金融ビジネスユニット西日本営業推進チームの西田朋広チーム長は、「米国の保護主義的な姿勢が嫌気されているほか、グローバルに株や商品市況が堅調地合いにあることもドル売りに寄与している」と指摘。株高や商品高は円売りの要因でもあるが、「円ショートがまだ多いことから、その巻き戻し圧力がドル・円の重しとなっている」と説明した。一方で、「相場そのものはリスクオフというわけでもないため、110円を割れてもどんどん下値を拡大する公算は小さい」と述べた。

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  ドル安進行の背景については、米国の保護主義的な動きに対する警戒以外に、25日の欧州中央銀行(ECB)の政策委員会を巡るユーロ・ドルの動きを指摘する声もあった。クレディ・アグリコル銀行の斎藤裕司外国為替部長は、ECB政策委員会を控える中で、「ユーロ・ドルには買い遅れ観測もあり、ドル・円はドル売り・ユーロ買い材料に巻き込まれている感じだ」と指摘。

  野村証券外国為替部の高松弘一エグゼクティブ・ディレクターは、ユーロ・ドルについて、「ポジションが作りづらい中で上がっている印象で、おそらくユーロのロング(買い持ち)もそれほど出来ていない」と指摘。ECB政策委員会で足元のユーロ高のスピードに対してけん制する発言が出るかどうかがポイントと述べた。

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