世界一高い住宅市場の香港、駐在員はロンドンの3-4倍の家賃覚悟を

香港は8年連続で、世界で最も割高な住宅市場というありがたくない称号をちょうだいした。それでも、買い換えで資産を増やしていくための足掛かりを得ようと香港市民が不動産を購入したり、中国本土の富裕層が引き続き高額物件を購入したりするので、香港の不動産需要は拡大し続けている。

  流通市場での住宅価格は2017年に14.4%上昇しており、株式相場の勢いが続けば今年は最大20%値上がりする可能性があると、 コンサルティング会社ジョーンズ・ラング・ラサールの香港調査責任者デニス・マ氏が分析した。

  大半の外国人にとって、不動産購入という選択肢はないに等しい。当局は価格抑制策の一環として、永住権を持たない購入者に30%の税金を課しているからだ。海外の購入希望者が永住権を獲得するには、香港に7年間居住する必要がある。一方、香港市民の住宅購入に課される印紙税はそれよりずっと低い4.25%だ。

九竜半島にあるカドリー・エステーツの3000平方フィートの住宅(家賃:月3万1950ドル)

出典:Kadoorie Estates Limited


  ただ、高い家賃を払い慣れている人でさえ、香港の家賃には目玉が飛び出るのを覚悟しなければならない。「ロンドンやシドニーから家族を連れてくるつもりなら、これまでと異なった現実を受け入れる必要がある。恐らく母国の3倍から4倍の家賃を支払うことになるだろう」と人材紹介会社ハイドリック&ストラグルズ・インターナショナルの香港責任者、スティーブン・マクリンドル氏は話す。

レパルスベイにある「ザ・リリー」のメゾネット(家賃:月5万8500ドル)

出典:Jones Lang LaSalle


  植民地時代のノスタルジックな雰囲気が好みなら、九竜半島にあるカドリー・エステーツの住宅がお薦めだ。ゼネラルマネジャーのリチャード・ホー氏によると、同地域の住宅需要は高く、空き家が出るのは1年で平均86軒に1軒の割合に過ぎない。今年出た物件である3000平方フィート(約280平方メートル)の庭付き住宅の家賃は月3万1950ドル(約354万円)だ。

  住宅サービスのサビル・ホンコンによると、香港ディズニーランドがあるランタオ島(大嶼島)のリゾートスタイルの住宅地「ディスカバリー・ベイ」では、1995平方フィートのメゾネットの家賃は月1万2800ドル。外国人駐在員の家族が住民の半分を占めている。

  香港島の南側にあるレパルスベイは、香港インターナショナルスクールやビーチなどが近いため外国人駐在員に好まれている。ジョーンズ・ラング・ラサールによると、「ザ・リリー」の家賃は、12階にある3ベッドルームのマンションが月2万1850ドル、最上階のメゾネットが月5万8500ドル。

ディスカバリー・ベイの集合住宅

写真家:アンソニー・クワン/ブルームバーグ


  多くの人にとって、名門校へのアクセスの良さは通勤時間よりも重要だと、ジョーンズ・ラング・ラサールの住宅リース・移転サービス責任者ステラ・アブラハム氏は話す。新界地区にある新興住宅地「ザ・ドレーク」は近くのハロウ・インターナショナルスクールに入学した子供がいる家族に人気だ。家賃は1934平方フィートのマンションが月5500ドル、4510平方フィートの小さな庭付きの住宅が月1万4700ドル。

「ザ・ドレーク」

出典:Jones Lang LaSalle Inc.

原題:An Expat’s Guide to Real Estate in the Priciest City on Earth(抜粋)

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