日本株は小幅反落へ、円高推移と高値警戒感

更新日時
  • 米政権保護主義と日銀姿勢で4カ月ぶり円高、日経平均一時200円安
  • 増益決算の安川電売られる、第3四半期は物足りないとみずほ証

24日の東京株式相場は4営業日ぶりに反落。為替が4カ月ぶりに1ドル=109円台までドル安・円高が進み、企業業績の先行きに懸念が広がった。電機など輸出株、ガラス・土石製品など素材株が下げ、日本銀行総裁が出口戦略の検討は時期尚早との認識を示し、銀行株も安い。

  TOPIXの終値は前日比9.84ポイント(0.5%)安の1901.23、日経平均株価は183円37銭(0.8%)安の2万3940円78銭。

  SMBC信託銀行の山口真弘シニアマーケットアナリストは、「今期、さらに来期も2桁増益が達成できるかどうかを冷静に見極めている中、1ドル=110円を恒常的に下回ってくるなら、業績下押し要因になる」と指摘。為替の円高については、「日銀の黒田総裁がマーケットのタカ派をけん制する発言をしたが、市場の観測を火消し仕切れなかった」とみていた。

東証内

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  23日の海外為替市場でドルが売られた流れを受け、きょうのドル・円相場は一時1ドル=109円80銭台と昨年9月15日以来、4カ月ぶりに心理的節目の1ドル=110円を割り込むドル安・円高が進んだ。米国政府の保護貿易主義への懸念が強い上、日銀の今後の政策スタンスに対する思惑がくすぶっている。日銀短観によれば、日本企業の今年度の想定為替レートは110円18銭。

  いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員は、「米国の中間選挙の年は選挙に勝たなければならず、保護主義色が強くなる。貿易赤字に対し政治的な圧力が普通の年よりかかり、ドル安・円高になりやすい」とみている。米政権は22日、国内産業保護のために太陽光パネルと洗濯機へのセーフガードを発動、新たな関税を課すとした。トランプ大統領は25日、スイスのダボスで開催中の世界経済フォーラムのレセプションに参加する。

  また、日銀の黒田東彦総裁は23日午後の会見で、「2%の物価安定目標に向けたモメンタムは維持されているが、なお力強さに欠けており、引き続き注意深く点検していく必要がある」と発言。出口を検討する局面には至っておらず、「引き続き現在の強力な金融緩和を粘り強く進めていくことが日本経済にとって必要だ」とも述べた。これに先立ち開かれた金融政策決定会合では、現状の緩和政策や2017年度から3年間の物価見通しを据え置いたが、予想物価上昇率の記述に関しては上方修正し、為替が円高方向に振れる一因になっていた。

  みずほ証券投資情報部の三野博且シニアストラテジストは、「国債買い入れ減額に続き、昨日の決定会合で物価認識が微妙に改善され、市場は出口戦略に向けた方向感と捉えている」と指摘。9月の自民党総裁選を見据え、政府は5、6月に脱デフレ宣言など前向きなシグナルを発するとみており、「日銀は脱デフレ宣言に合わせて物価認識を少しずつ引き上げるだろう、そうなると政策余地が生まれる」と言う。

  きょうの日本株は反落して始まり、午後の取引で一段安。日経平均の下げ幅は一時200円を超えた。ただし、SMBC信託の山口氏は、企業の業績改善は世界経済の回復がベースであり、「マーケット全般がリスクオフになったわけでなく、材料に反応しているだけ」としている。東証1部は下げたものの、ジャスダックやマザーズ指数など新興、小型株市場はプラス圏で終えた。

  東証1部33業種は電機、銀行、機械、ガラス・土石製品、その他金融、その他製品、輸送用機器、化学、非鉄金属など20業種が下落。上昇は不動産、電気・ガス、海運、パルプ・紙、陸運、小売など13業種。

  売買代金上位では、イメージセンサー事業が弱含む可能性が高いとし、JPモルガン・チェースが投資判断を「中立」に下げたソニー、第3四半期決算の受注は物足りないとみずほ証券が指摘した安川電機が大幅安。三菱UFJフィナンシャル・グループやファナック、クレディ・スイス証券が判断を下げたNISSHAも安い。半面、ジェフリーズが投資判断を「買い」とした大阪チタニウムテクノロジーズと東邦チタニウムは急騰。1月の既存店売上高が増加したニトリホールディングスも高い。

  • 東証1部の売買高は15億2356万株、売買代金は2兆9404億円、代金は前日に比べ6%強増えた
  • 値上がり銘柄数は961、値下がりは989
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