新興国株への投資、お楽しみはこれからだ-早期撤退が最大のリスク

  • 2年間に及ぶ上昇相場を経ても株価は相対的に割安
  • 相場の強さは企業収益の伸び改善と合致-エバンス氏

新興国市場の株式投資家にとって最大のリスクは、下げ相場に巻き込まれることではなく、あまりにも早く上昇相場から降りてしまうことだ。

  米国が約10年ぶりの利上げに踏み切ってから新興国市場の株高が2年を経過する中、運用担当者はこの上昇がどこまで続くのかを思案している。少なくとも短期的に多少の損失が発生する公算が大きいものの、これが一時的な調整なのか、もともと想定していなかった上昇相場の終わりなのかが重大な論点だろう。

  確かに市場の過熱感を示唆する警告サインが幾つか発せられている。2016年1月の安値から80%上昇したMSCI新興市場指数のチャートを見ると、過去に下落に転じたポイントに到達した。一方、ファンダメンタルズ分析は、株価には投資家に報い続けるだけの十分な上昇余地があることを示している。
             

  アッシュモア・グループの株式ポートフォリオマネジャー、エドワード・エバンス氏は投資家向けリポートで、「30%を超える相場の動きは通常、株価のバリュエーション(評価)が伸びきった状態を示唆するものだ」と説明しながらも、「今回はこれに当てはまらない。相場の強さは企業収益の伸び改善と合致している」と記した。

  次のグラフは、実際の企業利益がこの6年で初めて市場の期待と一致していることを示している。つまり、アナリストに追いつかなければいけないのは投資家であって、その逆ではないということだ。

  もっとも、市場の力学は長期にわたってファンダメンタルズから切り離されていることがあり得る。米国株のメルトダウンが新興国市場に波及する可能性がある。このため投資家が短期的な下げに備えることは理にかなっている。

  それでも利益と期待の一致、相対的に割安なバリュエーションは新興国市場の株式があらためて巻き戻すであろうことを示唆している。エバンス氏は「力強いファンダメンタルズに魅了された投資家により、新興国市場に向けてさらに顕著な資金循環が起こる始まりをデータは示唆している」と述べた。
         

原題:Overheating? Fun Is Just Starting for Emerging-Market Stocks (1)(抜粋)

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