05年に米住宅危機予想した運用者、バブル崩壊を懸念-市場は傾聴せず

  • 米住宅価格は高値更新、住宅建設株は業種別で17年に上昇率トップ
  • 「住宅バブル指標」は過去1年で80%上昇、スタック氏には危険信号

不動産投資家が自信満々になると、資産家向けに約13億ドル(約1440億円)を運用するジェームズ・スタック氏は落ち着かなくなる。

  米国の住宅価格は高値を更新し、住宅建設株は昨年、S&P500種株価指数の業種別で上昇率がトップだった。今や、弱気派は息も絶え絶えだ。

  スタック氏(66)は2005年に住宅危機を予想したことで知られる。当時は価格がピークを付ける前だった。同氏にとって住宅建設および住宅ローン関連株は「住宅バブル指標」。過去1年間の80%値上がりは危険信号だ。

  弱気相場に関して新聞記事の切り抜きを1929年までさかのぼって集めているスタック氏は「極端な評価額に心理的にも行き過ぎて拒絶反応があるなど、2005年と同じことがあちこちで起きている」と指摘。「人々は住宅相場がバブルにあると信じず、価格がちょっとバブリーな状況にあるという話を聞きたがらない」と付け加えた。

  スタック氏以外から、こうした懸念はあまり聞かれない。米住宅市場は春になると販売シーズンを迎えるが、アナリストの多くは値上がりペースは鈍化しても、6年に及ぶ相場回復が終わるとはみていない。ミレニアル世代が住宅を購入する年齢層に入るほか、ベビーブーマーは定年を迎え、人口に占める割合の大きい2つの世代が今後数年にわたって住宅需要を押し上げるとみられるためだ。「住宅建設が終わるやいなや、飛ぶように売れる」と、キャピタル・エコノミクスの米不動産エコノミスト、マシュー・ポイントン氏は語る。

  株式運用者として著名なビル・ミラー氏のファンド、ミラー・オポチュニティー・トラストを共同運用するサマンサ・マクレモア氏も「初めて住宅を購入する層が過去1年間に本当に増え、それが多くの株式銘柄を押し上げている」と述べた。同ファンドの運用対象にはパルトグループレナーといった住宅関連株を含み、「長期的に、向こう数年にわたる強い業績の伸びを引き続き予想している」という。

  スタック氏の見方は異なる。相場は段階的に調整するかもしれないが、歴史を振り返れば、次のリセッション(景気後退)時に「強烈に下落」する公算が大きいと言う。低金利を背景に急上昇する住宅価格のパターンに言及し、前回の価格下降も連続利上げを受けた経済成長鈍化とほぼ同じ頃に始まったと説明する同氏は、年内3回の米利上げが見込まれていることは「現在の暴騰した住宅相場が再びひどい状況に終わるリスクを高めている」と警告した。

原題:Housing Bears Hibernate as U.S. Homebuilders Swagger Into 2018(抜粋)

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