ドル全面安、米政府機関閉鎖リスクを警戒-110円台後半

更新日時
  • 米下院の米暫定予算案可決も、上院通過は不透明
  • ドルは主要10通貨のうちほぼ全て対して下落、米長期金利は上昇

Japanese 10,000 yen banknotes

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

東京外国為替市場では、ドルが主要通貨に対してほぼ全面安となった。米国の暫定予算の失効期限が迫る中、連邦政府機関の閉鎖リスクが警戒され、ドルが売られた。

  19日午後3時52分現在のドルは主要10通貨のうち、この日発表のあった経済指標が振るわなかったニュージランドドルを除くほぼ全ての通貨に対して下落。ドル・円相場は前日比0.3%安の1ドル=110円83銭で推移している。米下院での新たな暫定予算案可決を受けて111円13銭まで戻す場面も見られたが、上値は重く、午後には一時110円79銭まで値を切り下げた。

  外為どっとコム総研の神田卓也取締役調査部長は、「過去の米連邦政府機関閉鎖を考えてもそれほど大きな影響があったケースはないし、マーケットもかなり慣れていると思うので、その意味ではドルを押し下げるという影響はそれほど強くはない」と指摘。もっとも、「目先気になる材料であることは確かで、ドルロングを手じまう理由にはなっている」と話した。

  米下院は18日夜の本会議で、政府機関閉鎖の回避を目的とした2月16日までの暫定予算案を可決した。暫定予算案は上院に送付されるが、幼少期に親に連れられ米国に入国した不法移民の若者「ドリーマー」保護を盛り込むよう求めている上院民主党は、同案阻止に十分な票を確保したとしている。

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  米政府機関閉鎖の可能性が高まったとの観測が広がる中で、前日の米国債市場では米10債利回りが昨年3月以来となる2.6%台へ上昇。アジア時間19日の取引では一時2.637%程度と2016年12月以来の高水準を付けた。

  大和証券の亀岡裕次チーフ為替アナリストは、「元々上院での暫定予算成立が厳しい状況をにらんでドルが売られやすい状況だった」とし、「下院で可決されても上院で可決を期待できるのか不透明」と指摘。米長期金利の上昇も米国債が敬遠されているためであるならば、「ドル買いにつながりにくい」と語った。

  ドルは、ユーロに対して1ユーロ=1.22ドル台前半から一時2営業日ぶり安値となる1.2270ドルまで下落。前日の海外市場で上昇が目立ったスイス・フランに対しては4カ月ぶり安値を更新した。

  一方、日本銀行は午前の金融調節で、長期国債買い入れオペの金額を据え置いた。亀岡氏は、市場では日銀の出口政策への期待が高まっているが、来週の金融政策決定会合で政策変更はなく、黒田東彦総裁からの発言でも示唆はないだろうと予想。25日の欧州中央銀行(ECB)の会合でもフォワードガイダンスの変更はないとみられ、日銀の出口政策への期待やECBの早期利上げ期待の後退から来週後半はドルが戻し「ユーロや円が下げるイメージ」と話した。

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