エコノミストの大半は早期の金融引き締めに否定的-日銀サーベイ

  • 今年前半に引き締めを始めると回答したのは3人、前回調査から減少
  • 22、23日に開く金融政策決定会合は全員が現状維持を予想

市場で金融緩和の早期引き締め観測が出る中、エコノミストの大多数は否定的だ。ブルームバーグ調査で明らかになった。

  15-17日にエコノミスト43人を対象に調査した。日本銀行が年内に金融引き締めに向かうと回答したのは20人(47%)と、昨年12月の前回調査(46%)からほぼ横ばい。今年前半に金融引き締めを始めると回答したのは3人で、前回調査の5人から減少した。

  エコノミストの大半は、4月に任期満了となる黒田東彦総裁の再任を予想している。22、23日に開く金融政策決定会合は全員が現状維持を予想した。

早期引き締めは少数派

過半数のエコノミストは18年中の引き締めを否定

出所:ブルームバーグによる日銀サーベイ

備考:追加緩和を予測した回答は含まれていない

  日本経済が堅調に推移する中、日銀が9日の金融市場調節(オペレーション)で超長期債の買い入れを減額したことなどをきっかけに、市場では金融緩和の縮小は近いとの見方が出ていた。複数の関係者によると、日銀内でも、現時点では強力な金融緩和を粘り強く続ける必要があるとの認識が共有される一方、少数派から正常化に向けた議論が必要との意見が出始めている。
 
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  しかし、エコノミストの間では、早期の引き締めには懐疑的な見方が根強い。BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミストは調査で、長短金利操作の調整は「インフレ率の1%台定着が見込めるようになってから」とみており、今年中の開始は難しいとみている。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の六車治美シニアマーケットエコノミストは、2019年10月に予定される消費増税の影響を挙げた。14年4月の増税では、円安効果はく落と需要の落ち込みで物価は下振れ、日銀は同年10月に追加緩和を余儀なくされた。六車氏は日銀が「増税の影響を見極める前に引き締めに動くとは考えづらい」と指摘した。

CPI

  昨年11月の消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)前年比上昇率は0.9%、生鮮食品とエネルギーを除くコアコアCPIは0.3%だった。日銀の17年度のコアCPI前年比の見通し(政策委員の中央値)は0.8%、18年度が1.4%で、日銀は今会合後に新たな見通しを示す。複数の関係者によると、景気の拡大が続き物価が小幅ながら上昇幅を高めていることを受け、見通しはおおむね据え置かれる公算だ。

  今年中に物価が上昇し、日銀が金融引き締めに動くとみるアナリストもいる。日銀OBのJPモルガン証券の鵜飼博史チーフエコノミストは、コアコアCPI前年比は7-9月に1%に到達するとみており、日銀は現在0%程度の長期金利の誘導目標を9月と12月の2度にわたり0.25%ずつ引き上げると予想した。

  大和証券の岩下真理チーフマーケットエコノミストは「原油じり高基調が続いており、今年のコアCPIの1%定着の可能性は高まりつつある」と指摘。出口戦略を議論できる外部環境になれば、日銀は長短金利操作の「枠組み見直しに動く可能性もある」とみている。

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