正常化に向けて将来的に議論を求める声、日銀内の一部で浮上-関係者

  • 強力な金融緩和を粘り強く続ける必要あるとの認識は共有-関係者
  • オペ減額きっかけとした市場の正常化先取りの動きには警戒-関係者

The Bank of Japan headquarters stands in Tokyo, Japan.

Photographer: Tomohiro Ohsumi

日本銀行内で、変化の胎動が起きている。2%の物価目標の達成までなお道半ばのため、現在の強力な金融緩和を粘り強く続ける必要があるとの認識が共有される中、少数派から金融政策の正常化に向けた意見が出始めている。事情に詳しい複数の関係者への取材で明らかになった。

  複数の関係者によると、日銀内には、経済環境の好転を考えれば、正常化に向けた議論に変化が起こることは当然と受け止める向きがある。景気の拡大が続き、物価が徐々に上昇幅を高めていけば、正常化に向けて議論を行う必要性が中期的に増してくる公算が大きいという。

  昨年11月の消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)は前年比0.9%上昇、エネルギーを除くと0.3%上昇に過ぎず、目標とする2%にはなお距離がある。

  しかし、日本経済が堅調に推移する中、日銀が9日の金融市場調節(オペレーション)で超長期債の買い入れを減らしたことなどをきっかけとして、市場では金融緩和の縮小は近いとの見方が出ている。

関連記事はこちら

  複数の関係者によると、日銀内では正常化に向けた動きを先取りしようとする市場の動きに警戒感も強い。日銀は2016年9月に操作目標をマネーの量から長短の金利に変えており、幹部らは日々のオペに政策的な意図はないと強調している。黒田東彦総裁は出口戦略を語るのは時期尚早であり、具体的な時期や手順などを示すとかえって市場を混乱させると繰り返し表明している。

主な意見

  昨年12月の金融政策決定会合の「主な意見」では、経済・物価情勢の改善が続くと見込まれる場合は「金利水準の調整の要否を検討することが必要になる可能性もあるのではないか」との発言が出ていた。2%に向けて物価が上昇し、経済の中長期的な成長力が高まる下で、金融緩和効果は強まるため、「環境変化や政策の副作用も考慮しながら政策運営にあたることが必要である」との声もあった。

  指数連動型投資信託(ETF)買い入れについても10月会合に続き、政策効果と副作用を「あらゆる角度から点検すべきだ」との意見が出された。「株価や企業収益などが大きく改善し、今後も堅調に推移すると見込まれることを踏まえる」との文言が加わっており、リスクプレミアムを縮小させる必要性は減っているとの認識が示された。

  日銀は22、23両日、今年最初の決定会合を開き、経済・物価情勢の展望(展望リポート)を公表する。複数の関係者によると、景気の拡大が続き、物価が小幅ながら上昇幅を高めていることを受けて、物価の見通しはおおむね据え置かれる公算が大きい。ブルームバーグ調査では金融政策の現状維持が見込まれている。 

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE