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欧州債に向かうジャパンマネー、米国債は環境悪化で購入意欲減退

  • ユーロ圏国債投資は3カ月連続買い越し、米債は2カ月連続売り越し
  • 米債投資のヘッジコストは金融市場の緊張高まった08年以来の高水準
A five, ten and 20 euro banknote stand in this arranged photograph.

A five, ten and 20 euro banknote stand in this arranged photograph.

Photographer: Chris Ratcliffe/Bloomberg
A five, ten and 20 euro banknote stand in this arranged photograph.
Photographer: Chris Ratcliffe/Bloomberg

為替ヘッジコストの上昇と米長短金利差縮小に伴う運用環境の悪化が、日本の投資家による米国債の購入意欲を減退させている。その代わりに投資家が食指を伸ばしているのは、欧州の国債だ。

  財務省が12日に公表した主要国・地域ソブリン債への対外証券投資によると、昨年11月の対米国債投資(中長期)は1兆1775億円の売り越しとなり、2カ月連続で売り越しとなった。一方、ドイツ、フランス、イタリア、オランダなど対ユーロ圏の国債投資は合計で1448億円の買い越しとなり、3カ月連続で買い越しとなった。

米欧の債券投資のヘッジコストは両極端に

  為替ヘッジ付き外債投資は通常3カ月物の為替先物予約を更新する方式で行われ、ヘッジコストは3カ月物を年率換算して目安とする。米国債投資のヘッジコストは昨年12月22日に年率2.43%と世界的に金融市場の緊張が高まった2008年以来の高水準に達し、足元は2.09%。米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げを始めた15年12月以前は1%に満たない水準だった。一方、欧州債投資のヘッジコストはマイナス0.24%。日本の短期金利がユーロ圏を上回っているため、その金利差分の収益を受け取れる状態となっている。

  三井住友トラスト・アセットマネジメントリサーチ運用部の栗木英明チーフファンドマネジャーは、「ドルのヘッジコストが高止まりしている状況に変わりはない。今後米利上げが進めば、これからもそうなるかなと思っている。欧州通貨に関しては金融緩和縮小の動きは出ているけれども非常に緩やかで、ヘッジコストも逆にプレミアムが乗る状態が続いているので、日本の投資家からすると投資しやすい通貨ということで変わりはない」と語る。

  FRBは15年末以降、計5回の利上げを実施しており、今年も3回程度を想定している。政策金利の影響を受けやすい2年債利回りは利上げ開始前の15年11月末で0.93%だったのが、足元で2.04%まで上昇。半面、10年債利回りは同期間で2.21%から2.59%への上昇にとどまっている。

  ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズで日本の資産配分統括責任者を務める新原謙介氏は、日本の投資家の米国債運用は「短期金利が上がって長期金利が上がらないということでいうと、ヘッジした後の利回りはほとんど出てこなくなっている」と指摘。「重要なのは長短金利差。その魅力で見ればイギリス、フランスといったところ。米国債を減らしていくというのは今後も出てくる」とみる。

買い越しトレンド続くユーロ圏国債投資
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