亜鉛は3年連続の供給不足に、鉱石足りず異例の長期上昇招く-三井金

  • 2018年の世界の亜鉛地金の需給バランスは26万トンの供給不足と予測
  • 7月以降に需給緩和の転換点迎えるとみるが、ずれ込む可能性も

亜鉛生産で国内最大手の三井金属は、2018年の世界の亜鉛地金の需給バランスが26万トンの供給不足になるとの予測をまとめた。供給不足は3年連続となる。原料の鉱石不足が要因。世界最大手のスイスのグレンコアによる減産や中国での環境規制の強化に伴う鉱石減産で、地金需要の伸びに供給が追い付かない。

  「2年にわたり上昇し続けた例は過去にない。異常な状態だ」。金属事業部の斉藤修副事業部長は17日のインタビューで、現在の亜鉛相場についてこう述べた。亜鉛はさび止め用のめっき鋼板として自動車向けや建設などのインフラ向けに使われる。

  ロンドン金属取引所(LME)の亜鉛価格は15日、1トン当たり3440ドルまで上昇し、07年8月以来となる10年5カ月ぶりの高値を付けた。06年に4300ドル超の過去最高値を付けた際は、中国の需要急増を背景に価格は1年で2倍になったが、今回は16年1月を底に上昇を続けている。「鉱石が足りない影響がじわじわとボディーブローのように出ている」。

  価格が2000ドルを割り込んでいた15年10月、グレンコアは地金換算で約50万トンの鉱石減産を発表。市況が回復したことを受け昨年12月、オーストラリアのレディー・ロレッタ鉱山の操業を今年6月までに再開することを決めた。20年にかけて地金換算で19万5000トンの鉱石生産を見込む。ただこれは、減産した50万トン分の生産を段階的に再開するとの市場関係者の予測を下回っている。

  中国では環境規制による鉱石減産が大きく影響し、地金生産の伸びが鈍化すると予測。世界の亜鉛鉱山の平均的な生産コストは1トン当たり2100ドル程度。3000ドルを超える現在の水準ではどの鉱山でも利益が出る状況。かつての中国であれば一斉に増産に乗り出すところだが、減産を選択せざるを得ない状況はそれだけ中国政府が真剣に環境問題に取り組んでいることを示しているとして、環境優先の政策はしばらく続くとみる。

  斉藤氏は「7月以降には鉱石の需給が緩和していくとみていたが、グレンコアの操業再開の量があまりにも限定的で需給バランスの転換時期はずれ込む可能性がある」と述べた。

  18年度の亜鉛の平均価格について4-9月(上期)は1トン当たり2800-3200ドル、10-翌3月(下期)は2400-2800ドルと予測。年度平均では2600-3000ドルとみているが、3月時点で価格予測を引き上げる可能性もあるとした。上期に一時的に4000ドルを付ける可能性についても言及した。

亜鉛地金の需給は3年連続で供給不足に

出所:国際鉛亜鉛研究会(ILZSG)

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