今年は違うか米インフレ動向-反発の兆しに2年債利回りも上昇

  • 力強い内外経済情勢や低失業率、原油相場回復、ドル安など背景
  • 昨年初めにも同様の状況が見られたと速断戒める声も

A runner passes the Marriner S. Eccles Federal Reserve building in Washington, D.C., U.S.

Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

過去10年間の大半の期間にわたり低水準で推移してきた米国のインフレ率に、2018年に入って反発開始の可能性をうかがわせる兆しが見られる。

  物価押し上げに働く諸力としては、今世紀初め以降で最も力強さを示している米国内外の経済情勢や、17年ぶりの低水準に改善した失業率、1バレル=70ドル台に回復した原油相場、ドル安、依然として緩和的な金融政策が列挙される。

  恐らく最も重要な要素と考えられるのは、労働市場の逼迫(ひっぱく)や生産余力の縮小に加え、トランプ大統領の署名で成立した減税に対応する形で、ウォルマート・ストアーズフィフス・サード・バンコープなどの米企業が賃上げ・賞与支給を打ち出していることだ。フロリダやワシントンなど約20州で今年初めに最低賃金が引き上げられた点も挙げられる。

  こうした結果、一部のエコノミストは、今年はインフレ率が米金融当局目標の2%に近づくか上回る転換期にあるとの見通しを示している。同目標の達成は、物価圧力の高まりを見込んで15年12月以降、計5回の利上げを実施した当局が渇望しているものだ。現在は航空運賃、ジム会員費、自動車整備費などが値上がりしている。

  国際通貨基金(IMF)の元チーフエコノミスト、ハーバード大学のケネス・ロゴフ経済学教授は「高成長持続と低失業率を背景に、今年のある時点でインフレ率が2%を上回る局面があるのではないか」と述べた。

  投資家も気付きつつある。米国債2年物利回りは12日、08年以来初めて2%を付けた。インフレ加速を受けて、米金融当局が恐らく以前考えていたよりも急ピッチで利上げするとの想定に基づくものだ。

  もちろん米経済には以前にも同じような状況が見られた。昨年の今頃、エコノミストはインフレ加速を予想していたが、携帯電話サービス料金の値下げや衣料品の価格低迷、住宅費の値下がりなどにより、こうした見通しは現実のものとはならなかった。

  ブルームバーグ・エコノミクス(BI)の米国担当チーフエコノミスト、カール・リカドンナ氏は「17年のインフレのソフトパッチ(軟調局面)が、多くの米金融当局者を含む大勢の予想よりも深刻かつ広範だったことが後で分かったように、18年にかけても落ち着いたインフレ動向が長引くだろう」との見方を示した。

原題:This Year Looks Different for Inflation as Wall St. Braces (1)(抜粋)

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