財政黒字化の達成時期また先送り、20年代後半に-政府関係者

  • 試算前提の名目GDP成長率を引き下げ、18年度予算は過去最大
  • 試算の前提が楽観的、20年代の黒字化は困難-野村証券の桑原氏

政府は財政黒字化の達成時期の見通しを再び先送りする。より現実的な試算を示す方向だが、新しい見通しの達成も難しいという声も上がる。

  政府関係者によると、内閣府は来週の経済財政諮問会議で示す新試算(経済再生ケース)で、国と地方の基礎的財政収支(PB)の黒字化達成時期を、昨年7月に示した2025年度から20年代後半に先送りする。19年度以降は3.6%ー3.9%と仮定していた名目国内総生産(GDP)成長率を引き下げるという。

25年度の黒字化を予想していた

出所:内閣府

備考:2015年度までは決算、16年度は決算概要、17年度は予算の数値。復旧・復興対策の経費や財源の金額は除いた

  11日付の日本経済新聞は、新試算ではPB黒字化は27年度と報道していた。政府関係者によると、実質2%以上、名目3%以上の経済成長率の目標は維持する。

  財政健全化は、従来は20年度のPB黒字化が目標だった。ただ安倍晋三首相は昨年10月の衆院選で、19年10月に予定している消費増税の増収分のうち、債務返済に充てる割合を削減すると公約。20年度の黒字化を断念した。

  野村証券の桑原真樹シニアエコノミストは17日の電話取材で、政府が前提とする名目3%以上の成長率の達成は「それほど簡単ではない」と指摘し、試算の前提が楽観的だと述べた。20年代の黒字化達成も「難しい」との見方を示した。

試算の信頼性は低い

出所:内閣府

  PB黒字化の達成時期見通しは先送りが繰り返されており、新試算も実現するかは不透明だ。18年度一般会計予算の総額は6年連続で過去最大を更新し、97兆7128億円となった。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE