新興国株の2年にわたる上昇局面、一変させかねない5つの衝撃

  • 新興国株上昇の「勢い失われる」可能性が高い-キャピタルE
  • ガンドラック氏:価格水準がかなり悪くあまり良い買い時ではない

新興国株の2年にわたる上昇局面を一変させかねない材料は多くあるが、それが何かという点で一致した見方はないようだ。

  もちろん強気派は多い。モントリオールの資産運用会社フィエラ・キャピタルはさらに数年、魅力的なリターンを期待している。パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)などの運用会社のサブアドバイザーを務めるリサーチ・アフィリエイツは、新興市場について「10年に1度の取引」になるとしている。

  それでも逆張り派は警鐘を鳴らしている。以下に5つの潜在的懸念材料を列挙する。

1)テクノロジー業界の低迷

  UBSのバーヌ・バウェジャ氏にとって、成長サイクルの転換や割高なバリュエーション、原油価格の下落といった通常の警戒シグナルは目立たないが、もっと大きなリスクは急成長するテクノロジー業界の低迷の可能性だという。同氏は新興市場のテクノロジー企業が昨年並みの収入を得られるか「懐疑的」だ。ハードウエア企業はメモリー需要低下で特に影響を受けやすい可能性があり、仮想通貨ビットコインの急落が業界にとって妨げになる恐れもあるという。同氏の基本シナリオでは、2018年のリターンを引き続き10%としている。昨年のリターンは38%だった。

2)強いドル

  ダブルライン・キャピタルのジェフリー・ガンドラック最高投資責任者(CIO)は、米ドルの短期的な上昇とバリュエーションが過去最高付近にあることが新興国株の一時的な後退を示す公算が大きいと予想。新興国株の価格水準がかなり悪いため、あまり良い買い時とはいえないと先週のウェブキャストで述べた。

3)景気低迷

  ロンドンを拠点とするコンサルティング会社キャピタル・エコノミクスは、新興国の経済成長率が昨年の4.4%から18年には4.2%に低下すると予測している。景気減速の大部分は中国によるもので、同国の景気減速が工業用一次産品価格を押し下げる恐れがある。その結果、新興国株の上昇は「勢いを失い」、MSCI新興市場指数は米ドルベースで「やや低下して」年末を迎えると、同社は先週、予想した。同社の19年の見通しはさらに悪く、4%成長を見込む。

4)買われ過ぎ

  ゴールドマン・サックス・グループは、世界的な株式市場の高値更新が相場下落のリスク増大を暗示していると指摘し、MSCI新興市場指数の10%の調整がない期間が過去最長となっている点に言及。イアン・ライト氏ら同社アナリストらはリポートで、「今年これまでのところ、リスク選好度はかなり上昇し、株式を中心に過去最高に近い」と分析した。ただその一方で弱気相場の領域に陥る可能性は低いとし、新興国株の投資判断を引き続き「オーバーウエート」としている。

5)インフレ率急上昇

  国際金融協会(IIF)の世界資本市場副責任者、エムレ・ティフティク氏によれば、先進国でのインフレ率の予想外の急上昇は新興国株の流れを「一変させる」恐れがある。これは同氏が描く基本シナリオではないものの、実現した場合は世界の金融状況の引き締まりを促し、米ドルの流動性を低下させ、新興国株に悪影響を及ぼしかねないという。

原題:These Five Shocks Could Thwart Two-Year Emerging-Market Rally(抜粋)

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