ドル・円は4カ月ぶり安値付近から反発、ドル安一服で110円台後半

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  • テクニカルにはまだ下向きのイメージ-バークレイズ
  • ドル指数は5日ぶり反発、ユーロは3年ぶり高値付近でもみ合う

東京外国為替市場ではドル・円相場が1ドル=110円台後半へ反発。全般的なドル安の流れが一服する中、前日の海外市場で4カ月ぶりの水準までドル安・円高が進んだことで、値ごろ感などからドルを買う動きが優勢となった。

  16日午後3時35分現在のドル・円は前日比0.2%高の110円79銭。朝方は国内輸入企業などのドル買いが指摘され、午前10時過ぎに110円90銭台まで上昇。午後には日本株の上昇も追い風に一時110円98銭まで値を切り上げた。米国が祝日だった前日の海外市場ではドル売りの流れが継続し、ドル・円は110円33銭と昨年9月15日以来の安値を付けていた。

  バークレイズ証券の門田真一郎シニア為替・債券ストラテジストは、「ドル・円は先週から急激に落ちているが、実際のファンダメンタルズが何か大きく変わった状況ではないので、足元の水準自体に関しては若干ペースが速いというイメージ」と指摘。一方で、テクニカルには主要なサポート水準を割れてきてしまっているため、「まだ下向きのイメージで、110円割れのリスクはある」と話した。

  日本銀行の緩和政策修正観測や全般的なドル安により、ドル・円は9日からの1週間で約2%下落。相場の勢いを判断するRSI(相対力指数)は15日に「売られ過ぎ」の一つの目安となる30を下回った。麻生太郎財務相は16日、為替の水準にコメントすることはないとし、足元の相場について「大した話ではない」と述べた。

  東海東京調査センターの柴田秀樹金利・為替シニアストラテジストは、110円台前半は「日銀短観の大企業製造業の想定為替レートもその辺りなので、非常に重要な節目になる」と指摘。みずほ銀行の加藤倫義参事役は、「110円台半ばでは日本の実需筋によるドル買い・円売りが入る」とした上で、「110円を割れると株に悪影響が出てくるので注意信号が点滅し、当局から口先介入で円高けん制発言が出てくる」と予想した。

  主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドルスポット指数は5営業日ぶりに上昇。欧州中央銀行(ECB)や日銀の金融政策正常化が意識される中、前日には終値ベースで約3年ぶりの低水準を付けていた。

  ユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.22ドル台半ばから後半でもみ合う展開。前日の海外市場で約3年ぶり高値の1.2297ドルを付けた後はユーロ高・ドル安が一服し、この日の東京市場では1.2248ドルまで反落する場面も見られた。ポンド・ドルも欧州連合(EU)離脱が決まった2016年6月以来の高値圏でもみ合い。

  上田ハーローの小野直人ストラテジストは、本日発表のドイツの消費者物価指数改定値がさえない結果となれば、「ECBに対するタカ派期待に若干修正が入り、ユーロの上昇スピードが調整される可能性はある」と予想。英国でも物価指標の発表があり、「各地域の金利に影響しやすいイベントには注意したい」と指摘している。

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