ドル全面安、日欧緩和縮小観測-対円4カ月ぶり、対ユーロ3年ぶり安値

更新日時
  • 午後に一時110円58銭と昨年9月15日以来のドル安・円高更新
  • 日銀、ECB、BOC、金利が上がりそうな通貨にシフト-SBI証

東京外国為替市場でドルは主要通貨に対して全面安の展開。日本銀行や欧州中央銀行(ECB)などの金融緩和縮小観測が背景。ドル・円相場は4カ月ぶり、ユーロ・ドル相場は約3年ぶりのドル安値を更新した。

  ドル・円相場は15日午後3時54分現在、前週末比0.2%安の1ドル=110円82銭。朝方に付けた111円19銭から水準を切り下げ、午後に入って一時110円58銭と昨年9月15日以来の水準までドル安・円高が進んだ。主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は一時0.4%低下の1137.55と昨年9月11日以来の水準に下落した。

  SBI証券IFAビジネス部の相馬勉部長は、相場の動きについて「日銀オペ減額、あとは欧州中央銀行(ECB)絡み。今週はカナダの利上げ観測も出ている。ドルを軸にすれば、周りがキャッチアップしており、金利が上がりそうな通貨にシフトしている」と説明。「市場が先走っているだけだが、ドルを売っていれば儲かるパターンなので流れに乗るしかない。ドル・円は下がっても110円を一瞬割る程度ではないか。流れに乗って短期間で勝負を賭けるなら良いが、やはりドルを持っていないと不安という話になってくるだろう」と述べた。

  黒田東彦日銀総裁は15日、支店長会議であいさつし、「景気は緩やかに拡大している。消費者物価(CPI)は2%に向けて上昇率を高めていくと考えられる」と発言。金融政策については「物価目標実現を目指し、必要な時点まで緩和を継続する」との意向も示した。日銀は1月の地域経済報告で全国9地域中3地域の景気判断を上方修正。来週22、23日には金融政策決定会合を開く予定だ。

  IG証券の石川順一シニアFXストラテジストは、ドル・円の下落について、「9日の日銀の国債買いオペ減額を受けた日米金利格差縮小に起因している。黒田東彦日銀総裁も、世界的な金融引き締め方向に向かわざるを得ないとの思惑をじゃっ起しやすい」と説明。「ドル安圧力が継続するかは、対ユーロ、対円だけでなく、対カナダドルも重要。17日のカナダ銀行(中央銀行)会合で、0.25%の利上げに踏み切るとの利上げ観測が高まっている」と述べた。

  
  ユーロ・ドル相場は、0.1%高の1ユーロ=1.2209ドル。ECBの利上げ観測再燃に加え、ドイツ連立政権交渉を巡る進展を背景に、一時1.2240ドルと14年12月25日以来のユーロ高・ドル安水準を更新した。

  IG証の石川氏は、「ドイツの政治リスク後退を受けて良好なファンダメンタルズに関心が移行し、ユーロ買いの流れ。今年9月以降、ECBも利上げに向かうとの観測からユーロ・ドルは上昇。次は1.23ドル台に行くかどうか」と述べた。

  ポンド・ドル相場は、0.1%高の1ポンド=1.3738ドル。柔軟な英国と欧州連合(EU)離脱合意への期待を背景に一時1.3769ドルと16年6月24日以来のポンド高・ドル安水準を更新した。

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