JXTG杉森社長:スタンドのEV向け利用を検討、収益源多様化へ

  • EV普及によるガソリン需要減少に備え、年内にも方向性提示の方針
  • EVカーシェア事業やAI・ITCなど活用の新型店舗も構想へ

石油元売り最大手のJXTGエネルギーは、電気自動車(EV)の普及拡大に伴いガソリンスタンドの在り方を見直す検討を始めた。ガソリン需要の減少が見込まれることから、既存店舗のEV向け活用・転換など多角化を視野に入れており、今後1年をめどに方向性を示す方針だ。

  杉森務社長は11日のインタビューで、ガソリン車が全てEVなどの電動車両に置き換わる可能性は低いと指摘しながらも、「EV比率が高まればガソリン需要が減る」として、今から対策を準備する必要性を強調した。石油精製の過程で生まれる連産品を石油化学製品向けに振り向けることも検討するという。

杉森務社長

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  JXTGホールディングス傘下のJXTGエネルギーは、JXエネルギーと東燃ゼネラル石油が統合して昨年4月に発足。製造拠点の一体運営などによる統合効果を期待しているが、環境規制の強化を背景に世界的なEV時代の到来が見込まれる中、石油元売り大手としても収益源の多様化が課題となっている。

  JXTGは全国で約1万3000のガソリンスタンドを展開している。杉森社長はこれらの拠点は「立地が良く地域に密着している」としてEV向けにも十分活用できるとの見方を示した。EVのカーシェアリング事業やIoT、人工知能(AI)を駆使した新たな拠点の活用方法を提案したい考えも示した。

製油所統廃合、今後も検討

  一方、全国(90拠点超)の半数近くを占める同社の燃料電池車(FCV)向け水素ステーションについて杉森社長は、JXTGやトヨタ自動車など11社が今春に設立する水素ステーション整備を目的とした新会社に期待感を示した。その上で、政府の規制緩和などでコストダウンが進まないと「到底普及は無理だ」と述べた。

  JXTGは2017年度からの3年間で1000億円の統合効果を目指している。杉森社長によると現時点で「予想を上回る」効果が現れているという。国内製油所の統廃合では昨年9月に発表した室蘭製造所の閉鎖に続き、「第2弾、第3弾も検討しなければいけない」とし、18年度中にも詳細を決め公表したい考えを示した。

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