日本株は続落、110円視野の円高警戒-輸出一角、通信やガス売られる

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  • 米国PPIは0.1%低下とマイナスに、ドルは対主要通貨で下落
  • 直近株高で配当利回り魅力低下の声も、2年ぶり低水準

12日の東京株式相場は続落。企業の今期想定レートに近づく為替の円高進行で業績期待が後退し、幅広い業種が下げた。輸送用機器や精密機器など輸出株の一角が売られ、直近の株高で配当利回りの魅力が低下しているとの見方も広がり、情報・通信や電気・ガスなどディフェンシブ株も安い。

  TOPIXの終値は前日比11.85ポイント(0.6%)安の1876.24と続落、日経平均株価は56円 61銭(0.2%)安の2万3653円82銭と3日続落。

  SMBC信託銀行の山口真弘シニアマーケットアナリストは、「年初からの大幅高で、短期的な過熱感を冷やす調整売りに加え、ドル・円が企業の今期想定レートである1ドル=110円に近づき、業績への影響を懸念する動きが出ている」と話した。ただ、為替については「円が買われているわけではなく、日本銀行も円高に向けたいわけではない。円高要因となった日銀のオペ見送りはこれまでに何度もあり、出口論から円高が進んだのは過剰反応」とみている。

東証内

Photographer: Yuriko Nakao/Bloomberg

  米労働省が11日に発表した昨年12月の生産者物価指数(PPI)は、前月比0.1%低下と前の月の0.4%上昇から一転、1年4カ月ぶりにマイナスとなった。また、欧州中央銀行(ECB)の議事要旨では、景気が回復する中、早い時期からガイダンスを徐々に変更する可能性が示唆され、タカ派寄りの内容と受け止められた。

  12日の海外為替市場ではドルが対主要通貨で売られ、きょうの東京市場でも一時1ドル=111円06銭と、前日の日本株終値時点111円82銭に対しドル安・円高に振れた。

  一方、11日の米国株はエネルギーセクターの大幅上昇を受け、S&P500種株価指数は0.7%高と堅調。需給の引き締まりや石油輸出国機構(OPEC)の減産を背景に市場の均衡化が意識され、ニューヨーク原油先物は0.4%高の1バレル=63.80ドルと続伸し、北海ブレント価格は一時70ドルを上回った。

  週末の日本株は円高警戒感が投資家心理に重しとなり、TOPIXは小安く始まった後、徐々に下げ幅を広げた。増益決算と野村証券による目標株価引き上げを受けたファーストリテイリングの上昇が支援し、日経平均は堅調に始まったものの、午後には下げ幅が100円を超えた。業種別下落率上位に並んだのは情報・通信や電気・ガス、食料品など内需セクター。公益セクターの弱さについて、SMBC信託銀の山口氏は「原油高でコスト上昇が悪材料になるほか、ここ最近の長期金利の上昇で、配当魅力の低下につながりやすい」と指摘した。

  11日時点のTOPIXの予想配当利回りは1.75%。年始からの株高ダッシュで昨年11月の水準を下抜け、2015年8月以来の低水準となっている。ブルームバーグ・データによると、情報・通信の予想12カ月配当利回りは1.99%、電気・ガスは1.95%でTOPIXを上回る。

  東証1部33業種は電気・ガス、倉庫・運輸関連、情報・通信、食料品、精密機器、医薬品、パルプ・紙、海運、不動産など27業種が下落。上昇は鉄鋼、機械、その他製品など6業種。売買代金上位ではソフトバンクグループやNTT、大東建託、イオンが安く、営業減益のコスモス薬品やモルガン・スタンレーMUFG証券が統合効果は道半ばと評したユニー・ファミリーマートホールディングスは大幅安。半面、Fリテイリングは大幅高、ファナックや安川電機も高い。

  この日の取引開始時は株価指数オプション1月限の特別清算値(SQ)算出で、ブルームバーグ・データの試算によると、日経平均型で2万3723円19銭と前日の終値を12円76銭上回った。

  • 東証1部の売買高は16億9619万株、売買代金は3兆2196億円
  • 値上がり銘柄数は596、値下がり1385
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