野村HD:6年ぶりに首位奪還-M&A助言、さらなる案件獲得へ

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野村ホールディングスが2017年の日本企業関連の合併・買収(M&A)助言業務で米ゴールドマン・サックスなど外資系金融機関を抑え、6年ぶりに首位を奪還した。今年、さらなる案件獲得に向け動き始めた。

  野村の篠原実執行役専務はブルームバーグ・ニュースのインタビューで、「企業の選択と集中が続いており、プライベート・エクイティ・ファンドが力を付けている」との環境認識を示した上で、18年はより多くの案件を「手掛けたい」と意欲を見せた。

  トップの座を維持するためには、日本企業による海外での買収案件により多く携わる必要がある。国内企業による非中核事業の売却などに関する助言は得意だが、クロスボーダーでの買収助言業務では米モルガン・スタンレーやゴールドマンの後塵を拝している。永井浩二グループCEOは現在、クロスボーダー業務強化のため米州での買収を検討している。

  ブルームバーグのデータによれば、野村は17年1月から12月までに96件(407億ドル相当)の案件を助言した。2位はゴールドマンで、3位はモルガンSとの合弁の三菱UFJモルガン・スタンレー証券。

アドバイザー

ディール総額 (10億ドル)

野村               40.7
ゴールドマン               35.3
三菱UFJモルガン               34.9

  
  野村は東芝の2兆円規模のメモリー事業再編でアドバイザー(FA)を務め、米PEファンドのベインが主導するコンソーシアムが買収することで合意している。また日立製作所子会社のKKRへの売却について助言するなど、PEファンドが関与する案件を複数手掛けた。

ECM

  インベストメント・バンキングのグローバルヘッドを務める篠原専務は、日本企業による大型買収のための資金ニーズが旺盛なことや、日本国内の株式相場が好調なことから、18年は株式資本市場(ECM)が活況になるとみている。

  ブルームバーグのデータによれば、野村は昨年、株式の引き受けで16年連続の首位に着いた。日本株式・エクイティリンク債の発行額は一昨年から倍増した。18年はそれを上回る可能性があるという。

  篠原専務は、こうした野村のECMでの優位性をてこに、「深く経営者と議論し、M&A助言に絡んでいきたい」と語った。テクノロジーや医薬産業などでM&Aが期待され、新株発行に際して投資家に語るべき「ストーリーが描きやすい」という。

MEGA  

  過去5年間の日本企業による海外買収のアドバイサリー業務では、野村は6位で、4位のみずほフィナンシャルグループの下に位置している。首位はゴールドマンで、2位は三菱UFJモルガンだった。

  みずほは16年、ソフトバンクが英半導体設計会社ARM社を買収する際のFAについた。ソフトバンクは買収資金として、みずほ銀行と最大1兆円のブリッジローン借入契約を締結した。

  野村の永井CEOは昨年12月、ブルームバーグの取材に対し、米国での投資銀行ビジネスについて「顧客にフェイスするところが弱い」とし、現在バンカーのチーム単位での獲得や、「会社ごと買う」ことも検討していることを明らかにした。

PE

  ブルームバーグのデータによれば、17年は海外PEファンドによる日本企業の買収総額は記録的で、少なくとも過去12年間で最大となった。今年もこの傾向は続くとみられる。

  PEファンドの活躍について、篠原グローバルヘッドは「10年前と比べるとフィナンシャルスポンサーは認知されていて、アクティブになっている」とし、当時は「警戒されていた」側面もあったという。また、こうした環境の中アドバイザリー業務を行うのは「事業会社とPEファンドの両方を分かっていないとできない」と指摘した。

  野村は11月、自己資本を使ったプリンシパル・インベストメントを再開すると発表した。顧客が事業再編やマネジメント・バイアウト(MBO)などを行う際に共同で投資する。同社はファンドを立ち上げ、当初1000億円程度を拠出するという。

英語記事:Nomura Sees Strong Year in M&A, Fueled by Equity Finance (1)

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