かんぽ生命:新興国債券投資を1月から開始へ、米債以外にも分散

  • 米投資適格社債はドルヘッジコストが最大の悩み
  • 18年は新興国債券や株式が先進国より妙味あるとの予想も

かんぽ生命は今月、ファンドを通じた新興国債券投資を開始する予定だ。超低金利の運用環境が続く中、為替ヘッジのコストが上昇している米国の債券以外にも投資地域を分散させることで収益機会を捉える。

  かんぽ生命は2013年から海外クレジット投資を開始。執行役員運用開発部長の春名貴之氏は昨年12月のインタビューで、現在の海外クレジット市場について「デフォルト率を考えれば、スプレッド水準そのものは説明可能と思うが、絶対値水準からみれば行き過ぎている」と指摘。さらに最大の悩みになっている米ドルのヘッジコスト上昇が加わり、ファンドへの手数料も上乗せされると「投資妙味的には厳しい状況」だと説明した。

  ブルームバーグ・バークレイズ指数によると、年限10年の米投資適格社債の対国債スプレッドは92ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)とこの10年間で最低となっている。17年の新興国のドル建て債のリターンは8%と、前の年の11%から低下。一部の運用者はさらに低下すると予測している一方で、18年は新興国の債券や株式は先進国より妙味があるとの予想もある。

  従来、かんぽ生命では、大半を日本国債を中心とした低リスク資産に投資していたが、今年度から一部資産をヘッジファンドやプライベートエクイティ(PE)などのミドルリスク、ハイリスク型投資にも割り当て始めている。春名氏は、地域・手法・時間の分散を図るなかで、「市場環境が大きく変わって投資の魅力が増したときに追加投資を行っていくための今は準備期間」としている。

  また、かんぽ生命は1月から市場運用部にあった国内クレジット担当を運用開発部に移し、海外クレジット担当と一体化。通貨ごとに管理していたクレジット投資を発行体ごとにグローバルの競合と比較しながら投資判断・管理する体制に変更した。これまで国内社債を中心に投資してきたが、今年度からファンドを通じて米国の投資適格社債やバンクローンなどの海外クレジット投資を本格化させている。

  かんぽ生命の総資産は17年9月末時点で78兆6000億円。そのうちリスク性資産は内外株式が2.8%、外国債券などが8.7%を占め、同年3月末と比べて1.6ポイント上昇の11.5%となっている。また、今後3-5年で、ヘッジファンドやPEなどのオルタナティブ投資を総資産の1%程度まで拡大させる計画を掲げている。

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