今後の米金融引き締め、リセッションや政治面でのリスク盛りだくさん

  • 「ほぼ全て」の当局者が均衡水準上回る金利引き上げを予想
  • JPモルガンのフェロリ氏、今年は4回の米利上げを見込む

米金融当局者は、米経済を完全なソフトランディング(軟着陸)に導くことができるという考えは放棄したようだ。この場合、軟着陸とはインフレ率が当局目標に落ち着き、経済成長率が円滑にトレンドに回帰し、金融政策が中立に転換することを意味する。

  その代わり、ブレーキを踏む準備を整えている。3日に公表された昨年12、13両日の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録では、目標達成のために長期的な均衡を上回る水準に金利を引き上げ、経済成長を抑制する必要があるだろうと、「ほぼ全て」の当局者が認識していることが示された。

  ライトソンICAPのチーフエコノミスト、ルー・クランドール氏は「米金融当局には均衡への単調な着陸進入路というぜいたくはないかもしれない。失業率を押し上げて、インフレ率を目標値で安定させるには、客観的に金融政策を引き締めなければならないだろう」との見方を示した。

  こうした点は重要だ。その理由としては、現在のように単に金融システムから緩和策を取り除こうとするのではなく、積極的にクレジットを抑制して失業率を押し上げようとする場合、政策上のミスを犯して経済をうっかりリセッション(景気後退)に陥らせる可能性が増えることが挙げられる。

  JPモルガン・チェースのチーフ米国エコノミスト、マイケル・フェロリ氏は「あらかじめ決まっているわけでないが、そうしたリスクは高まっている」と指摘した。フェロリ氏は、経済のバランスを保つために金融当局が今年4回利上げすると見込んでいる。

  正しくバランスを取ろうとすることにもリスクが伴い、その難題はトランプ大統領が次期連邦準備制度理事会(FRB)議長に指名したパウエル理事に降りかかることになりそうだ。インフレが制御不可能とならぬよう、景気を減速させて実際に失業者を増やすことになれば、トランプ政権が掲げる雇用拡大と経済成長促進という目標に逆行しかねないためだ。

原題:Fed’s Future Tightening Fraught with Recession, Political Risks(抜粋)

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