たばこ受難の時代に立ち向かうJT寺畠新社長-新興国など海外に活路

Japan Tobacco Inc. News Conference Announcing The Next CEO

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

日本たばこ産業(JT)の社長に寺畠正道氏(52)が1月1日付で就任した。これまで欧州子会社JTインターナショナルの副社長を務めていた同氏が社長として直面するのは、世界的な規制強化、鈍化する需要、加熱式たばこをめぐる競争といったなじみ深い課題だ。

  1985年の民営化以降5人目の社長となる寺畠氏。11月の就任発表会見時には、今後対応が必要になる課題として、先進国でのシェア拡大や新たな新興国市場の開拓、次世代たばこ製品の開発強化などを挙げた。

  地域別に見ると、JTの販売数量の約7割が国内、欧州、ロシア市場に集中しており、寺畠氏は他地域への販売基盤の拡大が求められている。再編が進展したたばこ業界では有力企業を買収できる機会は限定されていることから、今後の取り組みは小規模な買収を通じたものになる可能性が高い。

  同社はすでに新興国で積極的に買収を進めている。昨年同社がまとめた案件は以下の通り。

買収先国名取得額
カリヤディビア・マハディカなど インドネシア6億7700万ドル
マイティーの流通関連や製造設備の資産フィリピン9億3600万ドル
ナショナル・タバコ・エンタープライズの子会社化エチオピア4億3400万ドル

  海外市場でJTの存在感が増しており、寺畠氏はたばこ製品に対する規制強化の動きにも対応する必要がある。昨年夏、米食品医薬品局がたばこ製品に含まれるニコチンを常習性のない水準まで減らすことを求める計画を発表したことでたばこ業界に動揺が走った。米国での事業規模が大きくないためJTの株価には影響していないが、米国以外の国でもたばこ製品への規制が強化されるとの観測を強める結果となった。

  健康への影響や規制強化などにより、たばこの需要は世界的に減少傾向。需要減に対応するため同社と競合する世界の大手たばこメーカーは、積極的に事業の再構築に取り組んでいる。フィリップ・モリス・インターナショナル(PMI)とブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)は加熱式たばこ機器を販売しており、JTの日本市場での紙巻きたばこ需要押し下げにつながっている。JTも加熱式たばこ「プルーム・テック」を販売しているが、全国展開ではPMIとBATに出遅れている。

原題:As Japanese Smoke Less, Tobacco Giant’s New CEO Looks Abroad(抜粋)

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