日本生命社長:販売網強化へM&Aも選択肢、国内にも活性化の余地

日本生命保険の筒井義信社長は、国内市場の開拓に向けて、銀行窓販や保険ショップ向けなど販売網や保険商品を強化するため、新会社設立のほか、企業の合併・買収(M&A)も1つの選択肢と考えている。

  筒井社長は、国内の生命保険市場について「世界的にみても様々な保険商品やチャネルが出現しており、当社だけでは対応しきれないマーケットが広がってきている」と話す。セキュリティ強化で営業職員が訪問できる企業は狭まる一方、顧客自ら銀行や保険ショップなどに来店する動きは定着。「このマーケットにアプローチするには機動的に商品を卸せる体制が必要」と考えている。

  同社では営業職員による販売を前提にシステムなどの事務が作り上げられており、既存インフラでは「どうしても遅れがち」と語る。そのため、M&Aのほか新会社設立も選択肢に、競合他社が展開している別会社方式での複線化を急ぐ。15年には銀行窓販にネットワークを持つ三井生命保険と経営統合。現在は、国内で銀行窓販に特化するマスミューチュアル生命保険を買収する方向で交渉中だが、「状況は申し上げられない」と言う。

  生保業界では、第一生命保険が06年に設立した銀行窓販の第一フロンティア生命や、買収したネオファースト生命を通じて保険ショップや銀行に商品を供給。住友生命保険は14年に完全子会社化したメディケア生命を通じ保険ショップに商品を提供している。

海外展開

  日本生命は15年3月に、日本生命本体以外の「グループ事業」からの純利益1000億円に向け、10年間で最大1兆5000億円の投資が必要との考えを示している。すでに三井生命、豪MLC生命を買収、印リライアンス・グループ傘下の運用会社に追加出資したほか、米運用会社TCWへの出資も決め、地域や事業で分散を図っている。

  筒井社長は既存出資先を成長させるのと同時に、保険とアセットマネジメント事業の両面で「新規のネットワークを拡大させたい」との意向。「アジアはまだ伸ばしていくべき地域があると思う。北米は安定して裾野が広いので、引き続き関心はもっていきたい」と述べた。欧州については「M&Aの前段階として欧州市場をよく知ることに取り組むべき時期」との認識を示した。
  
  昨年は「超低金利をどう克服するかというモードに早急に切り替えたい」と新4カ年計画を掲げており、4月からは2年目に入る。21年3月までに顧客数1400万人、保有年換算保険料8%増、グループ事業純利益700億円の計画達成に向けて「メドをつける1年にしたい」と抱負を述べた。

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